採用イベント・合同説明会で成果を出すためのブース作りと声かけのコツ

株式会社SELF ACHIEVE代表の新原です。神戸市を拠点に、14年間WEBマーケティングの会社を経営し、主に関西の中小企業様の顧客獲得をお手伝いしてきました。
さて、経営者や採用担当者の皆様は、こんな経験をされたことはないでしょうか?
「多額の費用をかけて採用イベントに出展したのに、学生がブースの前を素通りしていく…」
「勇気を出して声をかけても、なかなか話を聞いてもらえない…」
「周りの華やかなブースに埋もれてしまい、自社の魅力が全く伝わっていない気がする…」
多くの企業が参加する採用イベントや合同説明会。その他大勢に埋もれてしまい、手応えを感じられずに悩んでいる方は、実は少なくありません。
この記事は、単なるイベント運営のマニュアルではありません。私が14年間、WEBマーケティングの世界で培ってきた「顧客獲得のノウハウ」を採用活動に応用するという視点で、戦略的なブース作りと声かけのコツを解説するものです。
【この記事の結論】採用イベントで学生が集まるブースの3つの鉄則
- 鉄則1:ブースは「戦略的」に設計する
「誰に、何を伝えるか」というコンセプトを最初に固めましょう。遠くからでも目を引くキャッチコピーや配色を使い、「何をしている会社か」「話を聞くメリットは何か」が一瞬で伝わるデザインが重要です。- 鉄則2:「待ち」の姿勢を捨て、積極的に声をかける
学生が来るのを待つだけでは成果は出ません。「こんにちは!もしよければ、少し座ってお話聞きませんか?」のように、心理的ハードルを下げる声かけで接点を作りましょう。会話では「Yes/No」で終わらない質問を投げかけるのがコツです。- 鉄則3:出会いを「次」のアクションに必ず繋げる
イベントの場で「LINE登録」や「次回説明会の予約」を促す仕組みを用意しておくことが重要です。学生の熱量が高いその場で次のステップを提示し、貴重な出会いを成果に変えましょう。
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目次
なぜ採用イベントで「ブース作り」と「声かけ」が重要なのか?
そもそも、なぜ数ある採用手法の中で、特に採用イベントにおいて「ブース作り」と「声かけ」がこれほどまでに重要なのでしょうか?その理由は、企業の第一印象がここで決まってしまうからです。
メラビアンの法則で理解する第一印象の重要性
「メラビアンの法則」という心理学の法則をご存知でしょうか。これは、人がコミュニケーションを取る際、相手に与える影響は「視覚情報(見た目・表情)」が55%、「聴覚情報(声のトーン)」が38%、「言語情報(話の内容)」がわずか7%である、というものです。
これを採用イベントに置き換えてみましょう。学生がブースの前を通りかかる数秒間で、まず目に飛び込んでくるのはブースのデザインや雰囲気(視覚情報)です。ここで「何か面白そう」「話を聞いてみたい」と思ってもらえなければ、どんなに素晴らしい事業内容を用意していても、知ってもらう機会すら得られません。
私はWEBマーケティングの専門家として、常々「採用ブースは、企業のリアルなランディングページ(LP)である」とお伝えしています。WebサイトのLPが訪問者の心を掴むデザインやキャッチコピーで構成されるように、採用ブースもまた、学生の足を止め、興味を惹きつけるための戦略的な設計が不可欠なのです。
【データで見る】採用イベントの最新トレンドとZ世代のホンネ
第一印象が重要であることは、心理学の世界だけでなく、現代の採用市場のデータからも裏付けられています。特に、多くの学生が参加する採用イベントは、企業と学生の最初の接点として、その役割は依然として大きいままです。
マイナビの調査によると、2025年卒の学生がキャリア形成や就職活動で最初に行ったこととして「合同企業説明会への参加」が最も多い結果となりました。これは、オンライン化が進む中でも、対面での情報収集や企業の雰囲気を知りたいという学生のニーズが根強いことを示しています。(出典: 2025年卒大学生活動実態調査(9月 ))
では、その重要な最初の接点で、学生、特にZ世代は企業のどこを見ているのでしょうか。
株式会社ペンマークの調査によると、Z世代が就職先を選ぶ際に最も重視する項目は「給与・待遇が良い」(78.1%)であり、2位の「仕事内容が魅力的・やりがいがある」(47.2%)に30ポイント以上の大差をつけています。(出典: 【Z世代の就活意識調査】就職先選びで最も重視する項目、1位は「給与・待遇」。2位「仕事のやりがい」に30ポイント以上の差。)

この結果は、Z世代が企業の知名度やブランドイメージ(4.4%)よりも、自身の生活基盤となる経済的な安定性を現実的に評価していることを示しています。さらに、「社風・職場の雰囲気が良い」(32.9%)も上位にランクインしており、働きやすさという観点も重要視されていることがわかります。
これらのデータから、採用イベントのブース作りにおいて、以下の2点が極めて重要であると言えます。
- 待遇面の透明性: 学生が最も知りたい給与や福利厚生に関する情報を、分かりやすく提示すること。
- 社風の可視化: 短い時間で「この会社で働くイメージ」を持ってもらえるよう、ブースのデザインやスタッフの対応で良好な雰囲気を伝えること。
つまり、ブースという空間全体を使って、学生が求める情報を的確に伝え、ポジティブな第一印象を形成することが、採用成功の鍵を握っているのです。
「待ち」の姿勢では勝てない時代の採用戦略
現在の採用市場は、学生優位の「売り手市場」が続いています。特に、私たち中小企業にとっては、知名度や条件面で大手企業と同じ土俵で戦うのは容易ではありません。
このような状況で、ただブースに座って学生が来てくれるのを「待つ」だけの姿勢では、残念ながら成果は期待できないでしょう。ブースの前を通りかかる学生は、いわば「潜在的な顧客」です。その潜在顧客に対して、こちらから積極的にアプローチし、接点を創り出すアクションが「声かけ」なのです。
経営者としての私の経験からも、ビジネスチャンスは待っていては訪れません。自ら動いて掴み取りにいくものです。採用も全く同じです。積極的な声かけは、偶然の出会いを必然の出会いに変えるための、極めて重要な戦略的アクションと言えるでしょう。
【ブース作り編】学生の足を止める!戦略的ブースデザインのコツ
では、具体的にどのようにブースを作れば、学生の足を止められるのでしょうか。ここでは3つのステップに分けて、戦略的なブースデザインのコツを解説します。
STEP1: 誰に何を伝えるか?コンセプトを明確にする
いきなり装飾のデザインを考えるのはNGです。まず最も重要なのは、「誰に(ターゲット学生)、何を伝えるか(企業のUSP=独自の強み)」というコンセプトを明確にすることです。
これはマーケティングの基本であり、採用活動においても全く同じです。
- ターゲット学生は誰か?:
- 元気でコミュニケーション能力が高い学生?
- コツコツと真面目に取り組む学生?
- ITスキルに長けた学生?
- 自社のUSP(独自の強み)は何か?:
- 風通しの良い社風?
- 若手から裁量権を持って働ける環境?
- 関西でトップクラスの技術力?
例えば、「神戸で腰を据えて、ITの力で地域貢献したいと考えている、誠実な学生」に「若手のうちから大規模なプロジェクトに挑戦できる社風」を伝えたい、とコンセプトを定める。ここまで具体化できて初めて、効果的なデザインが見えてきます。
STEP2: 遠くからでも目を引く!視覚的アプローチ
コンセプトが決まったら、それを視覚的に表現していきます。ポイントは「遠くからでも認識できること」です。
- ブースカラー戦略:
企業のコーポレートカラーを基調にしつつ、ターゲット学生に与えたい印象に合わせてアクセントカラーを使いましょう。例えば、誠実さを伝えたいなら青、活気や挑戦を伝えたいならオレンジや赤が効果的です。- インパクトのあるキャッチコピー:
遠くからでも読める大きな文字で、学生が「自分ごと」として捉えられるキャッチコピーを掲示しましょう。 【NG例】:株式会社〇〇 会社説明会
【OK例】:文系出身者、活躍中!ITの力で神戸を面白くする仲間、募集!
弊社の経験上、限られた予算の中小企業様でも、布製のタペストリーやポスターを1枚用意するだけで、ブースの印象は劇的に変わります。デザインも無料ツールなどを活用すれば、コストを抑えながら作成可能です。
STEP3: 思わず立ち寄りたくなる!ブース周りの必須アイテム
遠くから学生の注意を引いたら、次は「立ち寄ってみよう」と思わせる仕掛けが必要です。
| アイテム | 役割と効果的な使い方 |
|---|---|
| タペストリー・ポスター | ブースの顔。遠くからの視認性を高め、企業のコンセプトを伝える。 |
| 椅子カバー | パイプ椅子が一気に統一感のある装飾に変わる。手軽にできるブランディング。 |
| パンフレット・会社案内 | 詳細情報を提供。手に取りやすい場所に、分かりやすく配置する。 |
| モニター | 社内の雰囲気や社員インタビューの動画を流す。文字情報より雄弁に魅力を伝える。 |
| ノベルティ | 学生が「もらって嬉しい」と感じる実用的なものが効果的。会話のきっかけにもなる。 |
弊社の経験では、特にモニターでの動画放映は非常に効果的です。楽しそうに働く先輩社員の姿は、学生にとって何よりの安心材料となり、「この会社、雰囲気が良さそう」と感じるきっかけになります。
【声かけ編】学生の心を開く!効果的なアプローチと会話術
魅力的なブースが完成しても、それだけでは不十分です。学生の心を開き、ブースに招き入れるための「声かけ」の技術を磨きましょう。
心理的ハードルを下げる「声かけ」の基本マインド
「声をかけても、断られたらどうしよう…」採用担当者の方から、そんな不安をよくお聞きします。その気持ち、非常によく分かります。
ここで大切なのは、マインドセットの転換です。声かけの目的は「通りかかる学生全員をブースに座らせること」ではありません。目的は「1人でも多くの学生と接点を持ち、自社に少しでも興味を持ってもらうこと」です。
10人に声をかけて、1人でも話を聞いてくれたら大成功。そのくらいの気持ちで臨みましょう。断られるのは当たり前。大切なのは、笑顔で、誠実に、数多くのアプローチを続けることです。
学生のタイプ別に見る効果的なアプローチ方法
やみくもに声をかけるのではなく、学生の様子を観察し、タイプに合わせたアプローチをすることで成功率は格段に上がります。
- 積極的に情報を探している学生:
(キョロキョロとブースを見ている、パンフレットを熱心に読んでいる)
→ 「こんにちは!〇〇業界にご興味がおありですか?私たちの会社も〇〇関連の事業をやっていまして、少しお話いかがですか?」と、具体的な情報を提供し、興味を引きます。- 何となく歩いている学生:
(目的がなさそうに会場を歩いている)
→ 「こんにちは!たくさんの企業があって大変ですよね。もしよければ、少し座ってお話聞きませんか?」と、まずは休憩を促すような形で、警戒心を解きます。- 友人と一緒にいる学生:
(複数人で話しながら歩いている)
→ 「こんにちは!お二人(皆さん)で企業を回られているんですか?ぜひお友達と一緒に、私たちの会社の話も聞いていきませんか?」と、グループ全体に話しかけ、参加のハードルを下げます。
会話が弾む!学生のホンネを引き出す質問術
ブースに座ってもらえたら、次は会話で学生の心を開く番です。ここでやってしまいがちなNG質問が「何か質問はありますか?」です。初対面でいきなりこう聞かれても、学生は何を質問していいか分からず、会話が途切れてしまいます。
そうではなく、学生が「Yes/No」以外で答えやすいオープンクエスチョンから始めましょう。
【効果的な質問例】
- 「今日は、どんな業界を中心に回られていますか?」
- 「たくさんの企業がある中で、会社選びで大切にしていることは何ですか?」
- 「就職活動を始めてみて、何か面白い発見とかありましたか?」
このような質問から始めることで、学生の興味や価値観を知ることができ、それに合わせた自社の魅力(例えば「若手の成長を応援する社風を大切にしているんですよ」など)を効果的に伝えることができます。相手の話に耳を傾け、共感を示すことが、信頼関係を築く第一歩です。
【実践編】中小企業でも成果を出す!イベント当日の運営術
最後に、イベント当日の運営で成果を最大化するためのポイントを2つお伝えします。
役割分担とタイムスケジュールが成功の鍵
当日は限られた時間の中で効率的に動く必要があります。事前にスタッフの役割分担を明確にしておきましょう。
- スピーカー(プレゼン担当): 会社説明を熱意を持って伝える役割。
- 呼び込み担当: ブース前で積極的に学生に声をかける役割。
- 個別対応・案内担当: ブースに座ってくれた学生のフォローや、次の学生を案内する役割。
これをチームで連携して行うことで、スムーズな運営が可能になります。また、説明会のタイムスケジュールをブース前に大きく掲示しておくことも非常に有効です。学生は先の見通しが立つことで、安心して話を聞くことができます。
イベント後の成果を最大化する「次への繋げ方」
採用イベントは、学生と出会って終わりではありません。その場で次のアクションに繋げることが極めて重要です。これは、WEBマーケティングにおける「リード獲得」と「コンバージョンへの誘導」の考え方と同じです。
- 個別説明会や選考の予約: QRコードを用意し、その場でスマートフォンから予約できるようにする。
- LINE公式アカウントへの登録: 今後の選考情報などを手軽に受け取れるメリットを伝え、登録を促す。
- アンケートの記入: 氏名や連絡先を記入してもらい、後日フォローするためのリスト(リードリスト)を作成する。
イベントで少しでも興味を持ってくれた学生の熱量を冷まさないうちに、次のステップへ誘導する仕組みを必ず用意しておきましょう。
よくある質問(FAQ)
Q: ブース装飾にかかる費用はどれくらいですか?
A: 規模によりますが、中小企業様であれば数万円からでも効果的な装飾は可能です。例えば、A1サイズのポスター印刷なら数千円、繰り返し使える布製のタペストリー(バックパネル)なら3〜5万円程度から製作できます。
まずは自社でデザインを作成してみたり、必要なものだけレンタルサービスを活用したりと、費用を抑える工夫から始めてみましょう。弊社のクライアント様でも、手作りの装飾で温かみを演出し、学生から好評を得た事例があります。
Q: オンラインの合同説明会では、どうすれば目立てますか?
A: オンラインでは、視覚と聴覚の情報がより重要になります。企業のロゴやコンセプトを入れたオリジナルのバーチャル背景を使う、チャット機能を活用して積極的に質問やコメントを投げかける、会社の雰囲気が3分でわかるような魅力的な紹介動画を冒頭で流す、といった工夫が有効です。
WEBマーケティングの知見からも、オンラインでは「いかに視聴者を飽きさせないか」が鍵となります。
Q: 声かけが苦手なスタッフでもできることはありますか?
A: もちろんです。無理に流暢に話す必要はありません。まずはブースの前で笑顔で立ち、通りかかる学生に会釈をするだけでも、ブースの雰囲気は格段に明るくなります。パンフレットを「よろしければどうぞ」と手渡すことから始めてみるのも良いでしょう。
大切なのは、チームでそれぞれの得意なことを活かし、補い合う体制を作ることです。
Q: 学生に渡すノベルティは何が効果的ですか?
A: 単に社名入りのボールペンを渡すだけでは、すぐに忘れられてしまいます。学生が日常的に「使える」「ちょっと面白い」と感じるものが効果的です。
例えば、モバイルバッテリー、PCに貼れるオリジナルステッカー、ユニークなデザインの付箋などは喜ばれる傾向にあります。コストは少し上がりますが、印象に残り、後々まで会社を思い出してもらうきっかけになります。
Q: イベントで集めた学生へのフォローはどうすれば良いですか?
A: 鉄は熱いうちに打て、です。必ずイベント当日、遅くとも翌日の午前中までにはお礼のメールを送りましょう。 その後も、一方的な宣伝メールではなく、「先輩社員の1日のスケジュール」「開発秘話」など、学生が興味を持つような情報を数回に分けて配信する「ステップメール」のような形が有効です。
これはマーケティングの考え方ですが、継続的な接触を通じて、少しずつ志望度を高めていくのです。
まとめ
採用イベントは、単なる「お祭り」ではありません。未来の仲間と出会うための「戦略的なマーケティング活動」です。
今回お話ししたブース作りのコツ、そして声かけの技術は、どれも私がWEBマーケティングの現場で14年間、お客様の集客をお手伝いする中で実践してきたことの本質を応用したものです。
- 誰に何を伝えるか、コンセプトを定める。
- 第一印象で興味を惹きつけ、足を止めてもらう。
- 対話を通じて相手を理解し、価値を伝える。
- 出会ったその場で、次のアクションに繋げる。
これらはすべて、明日からでも実践できる、非常に具体的で効果的な手法です。まずは一つでも構いません。自社で取り入れられそうなことから試し、貴社の魅力を一人でも多くの学生に届けることから始めてみてください。
私たち株式会社SELF ACHIEVEは、14年間のWEBマーケティングの経験を活かし、阪神間を中心とした関西の中小企業様の採用活動を「マーケティングの力」でご支援しています。もし採用活動でお困りのことがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。
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監修者:新原秀崇
株式会社SELF ACHIEVE 代表取締役CEO。2011年の創業以来14年間、神戸を拠点にWEBマーケティング会社を経営。中小企業の顧客獲得支援で培ったSNS集客ノウハウを採用分野に応用し、関西企業の採用課題解決を専門とする。「採用の仕組み化」「採用の資産化」をコンセプトに、持続可能な採用戦略の構築を支援している。
