【関西の経営者必見】大阪のIT・WEB業界で優秀なエンジニアを採用する秘訣

「大阪で優秀なITエンジニアを採用したいが、なかなかうまくいかない…」
株式会社SELF ACHIEVE代表の新原です。神戸で14年間WEBマーケティング会社を経営する中で、関西の中小企業の経営者様から、このようなご相談をいただくことが本当に増えました。
大手企業との競争や採用コストの高騰に、頭を悩ませていませんでしょうか?
実は、この採用の課題は、私たちが日々取り組んでいる「新しいお客様を獲得する」プロセスと非常によく似ています。
本記事では、14年間のWEBマーケティング会社経営で培った経験から、顧客獲得のノウハウを採用活動に応用するという新しい視点で、大阪のIT・WEB業界で優秀なエンジニアを獲得するための具体的な秘訣を、同じ経営者としての目線で実直に、誠実に解説します。
【この記事の結論】大阪のエンジニア採用を成功させる3つの秘訣
- 秘訣①:「集客」の視点を持つ
採用活動を「WEBマーケティング」と同じと捉え、候補者を「見込み客」、自社を「商品」と考えます。「誰に(ペルソナ設定)」「何を(独自の強み)」「どう伝えるか」を設計することが成功の鍵です。- 秘訣②:大手にはない「独自の強み(USP)」で勝負する
給与や知名度で劣っていても問題ありません。「経営層との近さ」「特定の技術を追求できる環境」「残業の少なさ」など、中小企業ならではの魅力を言語化し、積極的に発信します。- 秘訣③:「攻め」と「繋がり」の採用手法を実践する
待ちの姿勢ではなく、企業側からアプローチする「ダイレクトリクルーティング」や、社員の繋がりを活かす「リファラル採用」が特に有効です。コストを抑えつつ、ミスマッチの少ない採用を実現できます。
目次
なぜ大阪のIT・WEB業界で優秀なエンジニア採用は難しいのか?
まず、なぜエンジニア採用がこれほどまでに難しいのか、その背景から見ていきましょう。この状況を正しく理解することが、有効な対策を立てる第一歩となります。
深刻化するIT人材の不足と採用競争の激化
「人手不足」という言葉を頻繁に耳にしますが、特にIT業界ではその状況が深刻です。経済産業省の調査によると、日本のIT人材は2030年には最大で約79万人も不足すると予測されています。これはWEBマーケティングで言うところの、競合がひしめく「レッドオーシャン市場」と全く同じ状況です。
特に、近年は多くの企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しており、ITエンジニアの需要はますます高まっています。大阪・関西エリアも例外ではなく、2025年7月末時点でのエンジニア求人数は前年比で約1.14倍に増加しており、まさに人材の奪い合いが起きています。
大手企業との待遇・知名度の差
中小企業がエンジニア採用で直面する、最も現実的な課題がこれではないでしょうか。給与水準や福利厚生、そして企業の知名度において、大手企業と真っ向から勝負するのは容易ではありません。
実際に、ITエンジニアの平均年収は、東京都が約580万円であるのに対し、大阪府では約520万円と、地域間での差も存在します。この状況で、「うちの会社は給料が良いから」というだけでは、優秀な人材を惹きつけるのは難しいのが現実です。
しかし、ここで諦める必要は全くありません。魅力の伝え方次第で、中小企業でも十分に戦えます。 弊社の14年の実績から、中小企業ならではの戦い方、価値の伝え方が確かに存在するのです。
関西企業特有の課題とエンジニアの価値観の変化
関西の企業文化として、「実用性」や「コストパフォーマンス」を重視する傾向があると感じています。これはビジネスにおいては大きな強みですが、時としてエンジニアが求める「技術的な挑戦」や「新しいことへの投資」「成長できる環境」といった価値観と、必ずしも一致しない場合があります。
さらに、リモートワークの普及により、エンジニアは働く場所を自由に選べるようになりました。もはや「大阪だから」という理由だけでは、優秀な人材を惹きつけることはできません。
給与や安定性だけでなく、「働きがい」や「企業の理念への共感」「柔軟な働き方」といった、新しい価値観にどう応えていくかが問われています。
採用を「集客」と捉える!WEBマーケティング思考の重要性
では、この厳しい状況をどう乗り越えれば良いのでしょうか。ここで重要になるのが、採用活動を「集客」と捉え直すという、WEBマーケティングの思考法です。
関連記事: 14年のWEBマーケ会社経営者が断言。これからの採用活動は「マーケティング思考」がなければ絶対に成功しない理由
候補者は「見込み客」、自社は「商品」である
マーケティングでは、お客様に商品を購入していただくまでのプロセスを設計します。これを採用活動に置き換えてみましょう。
| マーケティング | 採用活動 |
|---|---|
| 商品 | 自社(働きがい、環境、文化など) |
| 見込み客 | 候補者(エンジニア) |
| ファネル | 認知 → 興味 → 検討 → 応募 |
このように考えると、やるべきことが明確になります。つまり、「商品(自社)の魅力を正しく理解し、見込み客(候補者)に最適な形で届け、ファンになってもらう」ことが、採用活動の全ての基本です。これは、私たちが14年間、顧客獲得支援で徹底してきたことと全く同じなのです。
「ペルソナ設定」で求めるエンジニア像を明確にする
「良い人がいれば採用したい」という漠然とした考えでは、メッセージは誰にも響きません。マーケティングで最初に行う「ペルソナ設定」、つまり「理想のお客様像」の明確化が、採用においても極めて重要です。
関連記事: 欲しい人材だけを狙い撃ち!顧客獲得のプロが教える、採用におけるペルソナ設定の具体的な3ステップ
弊社がクライアント支援で最初に行うのが、この「理想のお客様像」の明確化です。採用も全く同じです。どんな技術スタックを持ち、どんな価値観を大切にし、どんな働き方を求めるエンジニアに仲間になってほしいのか。これを具体的に定義することから始めましょう。
例えば、以下のように具体的に掘り下げてみましょう。
- スキル: Reactでの開発経験3年以上、UI/UX設計にも関心がある
- 価値観: チームでのコミュニケーションを重視し、新しい技術の学習意欲が高い
- 働き方: 週2日のリモートワークを希望、フレックスタイム制を好む
ここまで具体的にすることで、初めて「その人」に響くメッセージを考えることができるのです。
採用サイトは「ランディングページ」。SEO対策で候補者に見つけてもらう
自社の採用サイトや求人票を、単なる会社概要のページだと思っていませんか?それは非常にもったいないことです。採用サイトは、商品を売るための「ランディングページ(LP)」と捉え、候補者に見つけてもらうためのSEO(検索エンジン最適化)の考え方を取り入れましょう。
例えば、ペルソナとして設定したエンジニアが、転職を考えた時にどんなキーワードで検索するか想像してみてください。「大阪 フロントエンドエンジニア リモート」「神戸 PHP案件 中小企業」といった、より具体的なキーワードが思い浮かぶはずです。
これらのキーワードを採用サイトやブログ記事に盛り込むことで、貴社をまだ知らない優秀なエンジニアに「見つけてもらう」チャンスが格段に広がるのです。
関連記事: 採用サイトは作っただけでは無意味!WEBのプロが教える、応募に繋がる採用サイトの3つの必須条件
【実践編】大阪のエンジニアに響く!自社の魅力を発信する3つのステップ
ここからは、WEBマーケティングの思考法を具体的にどのように実践していくのか、3つのステップで解説します。
ステップ1:自社の「採用USP」を見つける
USP(Unique Selling Proposition)とは、マーケティング用語で「独自の強み」を意味します。これを採用の文脈で考え、「他社にはない、自社だけの魅力」を見つけ出すことが最初のステップです。
給与や企業の規模で大手企業に勝てなくても、中小企業には必ず独自の強みがあります。弊社のコンサルティング経験から言っても、自社の魅力に気づいていない経営者様がほとんどです。
例えば、以下のようなものが貴社のUSPになり得ます。
- 技術的深掘り: 「特定の技術(例: Laravel)をとことん追求できる環境」
- 経営との近さ: 「経営層と直接議論しながら、事業の根幹に関わる開発ができる」
- 働きやすさ: 「平均残業時間月5時間以下。プライベートを大切にできる」
- 社会貢献性: 「地域の課題を解決する自社サービス開発に携われる」
これらの強みは、大手企業では得られない貴重な体験です。まずは社員にヒアリングするなどして、自社の「採用USP」を言語化してみましょう。
ステップ2:エンジニアブログやSNSで情報発信する(コンテンツマーケティング)
見つけたUSPを、候補者に知ってもらわなければ意味がありません。ここで有効なのが、コンテンツマーケティングの手法です。具体的には、エンジニアブログやSNSでの情報発信です。
エンジニアブログ
社内で取り組んでいる技術的な挑戦、課題解決のプロセス、導入したツールの話などを発信します。これは、候補者にとって貴社の技術レベルや文化を知る貴重な情報源となります。さらに、ブログ記事はSEO対策にもなり、貴社の永続的な資産になります。
SNS(X, Facebookなど)
ブログの更新情報だけでなく、社内の雰囲気やイベントの様子などを発信します。特に関西には、connpassやTECH PLAYなどで活発なITコミュニティが多数存在します。そうしたコミュニティに向けて情報を発信し、交流することも非常に有効です。
ステップ3:WantedlyやGreenなど、共感を軸にした媒体を活用する
従来の求人媒体だけでなく、企業のビジョンやカルチャーへの「共感」を軸にした採用媒体の活用も積極的に検討しましょう。
弊社の経験上、特に大阪の若いエンジニアは、企業の「面白そうか」「ビジョンに共感できるか」という点を重視する傾向があります。共感を軸にした情報発信は、中小企業にとって非常に有効な武器となるのです。
WantedlyやGreenといったプラットフォームでは、給与などの条件面だけでなく、企業の想いやストーリーを伝えることができます。ステップ1で見つけたUSPや、ステップ2で発信したコンテンツをここで活用し、貴社のファンを増やしていきましょう。
コストを抑えて効果を最大化する具体的な採用チャネルと活用法
最後に、コストを抑えながら採用効果を最大化するための、具体的なチャネルとその活用法をご紹介します。
ダイレクトリクルーティング:攻めの採用でミスマッチを防ぐ
ダイレクトリクルーティングとは、企業側から求める人材に直接アプローチする「攻めの採用」手法です。これはマーケティングで言う「アウトバウンド施策」に相当します。
メリット
- ミスマッチの防止: ペルソナに合った人材に直接アプローチするため、ミスマッチが起こりにくい
- コスト効率: 採用が決まるまで費用が発生しないサービスも多く、コストを抑えやすい
- 潜在層へのアプローチ: 転職活動を本格的に行っていない優秀な人材にもアプローチできる
効果的なスカウト文面を書くコツは、ステップ1で見つけた「採用USP」を盛り込み、「なぜあなたに連絡したのか」を具体的に伝えることです。一斉送信のテンプレート文では、候補者の心は動きません。
リファラル採用:社員の紹介で質の高いマッチングを実現
リファラル採用とは、社員に知人や友人を紹介してもらう手法です。これは、信頼できる社員からのお墨付きという、最も確実なマーケティング手法の一つと言えるでしょう。
特に関西は「人の繋がり」を大切にする文化が根付いています。この文化を活かさない手はありません。実際に、リファラル採用は採用コストを大幅に削減できるだけでなく、入社後の定着率が高いというデータもあります。
成功の鍵は、紹介してくれた社員へのインセンティブ制度を設けるだけでなく、「自社を友人に紹介したい」と社員が心から思えるような、魅力的な職場環境を普段から作っておくことです。
大阪・神戸のIT勉強会やコミュニティへの参加
大阪や神戸では、エンジニア向けの勉強会やコミュニティ活動が非常に活発です。こうした場に社員が参加したり、あるいは自社でイベントを主催したりすることも、長期的に見れば非常に有効な採用活動となります。
これは、見込み客との関係を構築するマーケティング活動と同じです。すぐに採用に繋がらなくても、貴社の技術力や社風を知ってもらう絶好の機会であり、そこで築いた長期的な関係性が、数年後に思わぬ形で貴社の資産になることもあるのです。
よくある質問(FAQ)
Q: 大阪のITエンジニアの給与相場はどれくらいですか?
A: 職種や経験年数によりますが、例えばWebアプリケーションエンジニアの場合、若手で400〜600万円、中堅以上になると600〜800万円以上が目安となります。ただし、これはあくまで相場です。中小企業の場合は、給与だけでなく、本記事で解説したような裁量権の大きさや働きやすさといった別の魅力を伝えることが重要です。
Q: 採用にWEBマーケティングの知識は必須ですか?
A: 必須ではありませんが、知っていると採用活動が格段に有利になります。候補者を「集客」し、自社の魅力を「発信」するという考え方は、コストを抑えつつミスマッチの少ない採用を実現する上で非常に効果的です。まずは自社の採用サイトのキーワードを見直すことから始めてみてはいかがでしょうか。
Q: 採用活動を外注(代行)するメリット・デメリットは?
A: メリットは、プロのノウハウを活用でき、採用担当者のリソースを節約できる点です。デメリットは、コストがかかることと、自社に採用ノウハウが蓄積されにくい点です。弊社の考えとしては、外部の支援を活用しつつも、最終的に自社で採用活動を「自走化」できる状態を目指すことが、長期的な企業の成長に繋がると考えています。
Q: ポートフォリオでは何を見れば良いですか?
A: 見た目のデザインだけでなく、その制作物で「どのような課題を」「どのような思考プロセスで」「どのような技術を使って」解決しようとしたのか、という課題解決能力と思考のプロセスを見ることが重要です。面接では、その背景を深掘りする質問をしましょう。
Q: 未経験エンジニアの採用は検討すべきですか?
A: 教育体制が整っているならば、非常に有効な選択肢です。特に大阪には未経験者歓迎の求人も多く、ポテンシャルの高い人材を獲得できる可能性があります。重要なのは、入社後の育成プランを明確にし、「この会社なら成長できる」という安心感と期待感を候補者に与えることです。
まとめ
大阪のIT・WEB業界で優秀なエンジニアを採用するためには、従来のやり方だけでは限界があります。
大切なのは、採用活動を「集客」と捉え、WEBマーケティングの視点を取り入れることです。自社の「独自の強み(USP)」を見つけ、それを求めるエンジニアに正しく届け、関係性を築いていく。この地道な活動こそが、大手にはできない中小企業ならではの採用戦略の鍵となります。
この記事が、貴社の採用活動を見直すきっかけとなれば幸いです。まずは、社員と一緒に自社の魅力を言語化することから始めてみてください。
弊社でも、14年間のWEBマーケティング経験を活かした関西企業向けの採用支援サービス「サイカツ.R」を提供しております。採用に関するお悩みや課題がございましたら、いつでもお気軽にご相談ください。
監修者:新原秀崇
株式会社SELF ACHIEVE 代表取締役CEO。2011年の創業以来14年間、神戸を拠点にWEBマーケティング会社を経営。中小企業の顧客獲得支援で培ったSNS集客ノウハウを採用分野に応用し、関西企業の採用課題解決を専門とする。「採用の仕組み化」「採用の資産化」をコンセプトに、持続可能な採用戦略の構築を支援している。
