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採用コストは売上の何%が適正?社員10人以下の会社のための予算の決め方

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採用コストは売上の何%が適正?社員10人以下の会社のための予算の決め方

「採用に一体いくらかければいいんだろう?」

経営者なら誰しも、一度はこの疑問にぶつかったことがあるはずです。特に社員10人以下の会社にとって、1人の採用は経営を左右する大きな判断。にもかかわらず、「うちの規模で、この予算は多いのか少ないのか」がわからないまま、なんとなく求人を出している方も多いのではないかと思います。

株式会社SELF ACHIEVEの新原です。神戸で14年間、中小企業のWEBマーケティング支援を行ってきました。弊社自身も少人数で経営してきた立場なので、採用コストの悩みは自分ごとです。

今回は、「売上に対して何%の採用コストが適正なのか」という問いに対して、実際のデータと弊社の経験を交えながら、社員10人以下の会社でも使える予算の決め方をお伝えします。

【この記事の結論】社員10人以下の「失敗しない採用コスト予算」3つの鉄則

  • 「売上の○%」という一律の基準は危険。自社の「粗利」から逆算して、採用コストとして投資できる上限額を決めるのが正解です。
  • とりあえずの人材紹介は予算オーバーの元。(手数料相場:年収の30〜35%)
  • 採用コスト50〜100万円が現実的なライン。まずは「ハローワーク」や「Indeed無料枠」を土台にし、求人広告(20〜30万円)やリファラル採用に集中投資しましょう。
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売上規模別の採用予算目安と手法別コスト比較を一覧化。「売上の○%」という根拠のない基準に頼らず、自社の利益構造から逆算した予算設計が採用成功の第一歩です。
目次

採用コストは売上の何%が目安?企業規模別の適正比率

「売上の5〜10%」説はどこまで信頼できるか

ネット上の一部メディアで「採用コストは売上の5〜10%が目安」と書かれているのを見かけます。ただ、この数字には注意が必要です。

結論から言うと、採用コストの対売上比率に関する公的な統計データは存在しません。この「5〜10%」は、人材コンサル系のメディアが経験則として語っている参考値にすぎません。

参考までに、売上高に対する人件費率は業種別に以下のような水準です。

業種売上高人件費率の目安
小売業20〜30%
製造業20〜30%
サービス業40〜60%
IT・情報通信業30〜50%
飲食業30〜40%

採用コストは人件費の一部ですが、人件費全体の中で採用にかけるべき割合を切り出した統計は見当たりません。つまり、「売上の○%」という一律の基準で予算を決めるのは危険です。自社の利益構造から逆算して決めるのが正解。この具体的な方法は後ほど解説します。

社員数・売上別に見る採用コストの現実的なライン

では、実際に小さな会社はどのくらいの費用をかけているのか。マイナビの中途採用状況調査2025年版(2024年実績)によると、企業規模別の年間採用費用は以下の通りです。

従業員規模年間採用費用(平均)
3〜50名86.7万円
51〜300名299.0万円
301〜1,000名550.4万円
1,001名以上1,290.5万円

社員10人以下の会社は、「3〜50名」のカテゴリに含まれます。年間86.7万円が平均。ただし、これは実績値なので「この金額で足りている」ではなく「この金額しかかけられていない」と読むべきでしょう。

売上規模別にざっくりとした目安を整理すると、以下のイメージです。

年間売上採用予算の目安(年間1〜2名採用の場合)
3,000万円30〜60万円
5,000万円50〜100万円
1億円100〜200万円

弊社の感覚としても、売上5,000万円規模の会社で年間100万円前後の採用予算を確保できていれば、手法次第で十分に成果は出せます。

業種別に異なる採用コストの考え方

採用コストは業種によって大きく変わります。製造業の中小企業では中途採用1人あたりの単価が約132万円と高いのに対し、サービス業の中小企業は約46万円。この差は約3倍です。

製造業は技術者や有資格者の採用が必要になることが多く、人材紹介に頼らざるを得ないケースが増えます。一方、サービス業や小売業は、地域密着の採用チャネル(ハローワーク、Indeed無料枠など)が比較的機能しやすいです。

関西の中小企業では、東京に比べて採用単価が低めに抑えられる傾向があります。求人媒体の掲載費が地方都市向けプランで割安になることや、ハローワーク経由の応募が一定数見込めることが理由です。

社員10人以下の会社が採用予算で失敗する3つのパターン

とりあえず人材紹介に頼って予算オーバー

人材紹介(エージェント)の成功報酬は、採用する人材の理論年収の30〜35%が相場です。年収400万円の人材を採用すれば140万円、年収600万円なら210万円。1回の採用で年間予算を丸ごと使い切ることも珍しくありません。

社員10人以下の会社で、年間の採用予算が100万円前後であれば、人材紹介1本に絞るのはリスクが高すぎます。もちろん、専門スキルが必要なポジションではエージェントが有効な場面もあります。ただ、最初の選択肢として安易に頼ると、予算オーバーに直結します。

求人広告を「出しっぱなし」にしてムダな出費

掲載課金型の求人広告は、マイナビ転職で20万円〜/4週間、dodaで25万円〜/4週間、エン転職で30万円〜/4週間が最低ラインの料金です。「とりあえず出してみよう」で2〜3媒体に掲載すると、1ヶ月で75〜80万円が飛んでいきます。

問題は、掲載しただけで満足してしまうケース。原稿の改善も応募者分析もしないまま掲載期間が過ぎて、「反応がなかったから次の媒体を試そう」と繰り返す。これが一番お金を溶かすパターンです。

採用コストを「経費」としか見ていない

採用コストを「できるだけ削りたい経費」として見ている経営者は多いです。でも、採用は本来「投資」。1人採用して、その人が年間いくらの売上・利益を生み出すかという視点が抜けると、予算の妥当性を判断する基準がなくなります。

たとえば、営業職を100万円のコストで採用して、その人が入社後1年で500万円の粗利を生み出したなら、投資対効果は十分です。逆に、30万円で採用しても3ヶ月で辞められたら、再採用のコストまで含めると結局高くつく。金額の大小ではなく、投資としてのリターンを考えることが大切です。

売上ベースで考える採用予算の決め方【5ステップ】

ステップ1:年間の採用計画を立てる(何人・いつまでに)

「人が足りない」ではなく、「いつまでに・何の役割の人を・何人採用するか」を具体的に決めるところからスタートします。

社員10人以下の会社であれば、年間の採用目標は1〜2名が現実的なライン。まずは事業計画と照らし合わせて、「この人が入ったら売上がどう変わるか」「今の業務のどこがボトルネックなのか」を整理してみてください。

ステップ2:1人あたりの採用単価の目安を把握する

採用手法によって、1人あたりのコストはまったく違います。

採用手法1人あたりの目安コスト
人材紹介(エージェント)85〜140万円
求人広告(掲載課金型)28〜50万円
ダイレクトリクルーティング30〜90万円
リファラル採用(社員紹介)約4万円
自社採用サイト経由約3万円
SNS採用約1万円
ハローワーク0円

このデータを見ると、手法の選び方で採用コストに100倍以上の差が出ることがわかります。自社に合った手法を選ぶことが、予算設計の肝です。

ステップ3:売上・利益から逆算して上限を決める

ここが一番大事なステップです。「売上の○%」という基準ではなく、自社の利益構造から逆算して上限を決めます。

計算の考え方:

  1. 年間売上から粗利を算出する(例:売上5,000万円 × 粗利率40% = 粗利2,000万円)
  2. 粗利から既存の人件費・固定費を差し引く
  3. 残った利益のうち、採用に回せる金額を決める

たとえば売上5,000万円、粗利率40%の会社で、既存の固定費・人件費で粗利の80%を使っているなら、残りは400万円。ここから設備投資や運転資金も考慮すると、採用に回せるのは50〜100万円程度というのが現実的な数字です。

この金額が「少なすぎる」と感じたら、それは採用予算の問題ではなく、利益構造そのものの課題かもしれません。

ステップ4:採用手法を組み合わせて予算を配分する

予算が決まったら、具体的にどの手法に、いくら配分するかを決めます。

予算50万円の場合の配分例:

  • ハローワーク(無料)+ Indeed無料枠で母集団を確保
  • 求人広告1回(20〜30万円)で集中的にアプローチ
  • 残りをリファラル制度のインセンティブや自社サイトの採用ページ整備に

予算100万円の場合の配分例:

  • 求人広告1〜2回(40〜60万円)
  • Indeed有料枠(10〜20万円)
  • 自社採用ページの制作・改善(20〜30万円)
  • リファラル採用のインセンティブ(5〜10万円)

無料チャネルを土台にしながら、有料チャネルで集中的にリーチする。この組み合わせが、限られた予算で最大の効果を出すコツです。

ステップ5:採用ROIで振り返り、翌年の予算に反映する

採用が終わったら、必ず数字で振り返りましょう。

採用ROIの計算式:

採用ROI(%)=(採用した人材が生み出した利益 − 採用コスト)÷ 採用コスト × 100

たとえば、100万円のコストで採用した営業担当が、入社1年目に300万円の粗利を生み出したとします。

ROI =(300万円 − 100万円)÷ 100万円 × 100 = 200%

この数字を手法ごとに出しておくと、「どのチャネルに予算を厚く配分すべきか」が翌年の判断材料になります。感覚ではなく数字で改善を回す。これだけで、採用予算の精度は確実に上がっていきます。

採用コストを抑えて成果を出す方法【予算別】

予算ゼロでもできる採用活動

お金をかけなくても使える採用チャネルは、実はいくつもあります。

  • ハローワーク:掲載から採用まで完全無料。地域密着の人材には一定の効果あり
  • Indeed無料枠:有料のスポンサー求人を使わなければ費用ゼロ。求人検索エンジンとしての集客力は大きい
  • 自社SNS:X(旧Twitter)やInstagramでの発信。アカウント運用は無料

SNS採用は効果が出るまでに3〜6ヶ月かかりますが、継続すれば採用チャネルとしての資産になります。弊社もWEBマーケティング支援の中で、SNS発信だけで年間20名の採用に成功した中小企業の事例を見てきました。

ポイントは「求人情報を流す」のではなく、「会社の日常や働く人の姿を発信する」こと。これはWEBマーケティングの発想そのものです。

年間50〜100万円でできる採用戦略

社員10人以下の会社にとって、最もバランスが良い予算帯がここです。

まずはハローワークとIndeed無料枠で応募の入口を確保した上で、求人広告を1回(20〜30万円)出して集中的に応募を集めます。並行して、社員に「知り合いで転職を考えている人がいたら教えて」と声をかけるリファラル制度を始める。紹介インセンティブは3〜5万円程度で十分です。

残りの予算は、自社サイトの採用ページの整備に充てましょう。採用ページがしっかりしていると、どのチャネルからの応募者にも「この会社で働くイメージ」を持ってもらえます。これは長期的に効いてくる投資です。

関連記事: 中小企業こそ導入すべき「リファラル採用」を成功させる3つのコツ

年間100〜200万円の予算で質を高める方法

この予算帯なら、採用の「質」を上げる施策に投資できます。

ダイレクトリクルーティング(Wantedly:36万円〜/6ヶ月、Green:60万円〜など)を導入すれば、自社から積極的にアプローチできるようになります。「待ちの採用」から「攻めの採用」への転換です。

関連記事: 採用コストを50%削減した事例も!求人広告に頼らない、神戸の中小企業が実践すべきダイレクトリクルーティングとは?

加えて、適性検査ツールの導入や、面接プロセスの設計に予算を回すと、入社後のミスマッチを減らせます。ミスマッチによる早期離職は、再採用コストが初回の1.5〜2倍になるとも言われています。採用の「入口」だけでなく「精度」に投資することが、中長期でのコスト削減につながります。

活用しないと損!採用コストを下げる助成金・補助金

キャリアアップ助成金(1人あたり最大80万円)

非正規雇用の従業員を正社員に転換した場合に受給できる助成金です。厚生労働省のキャリアアップ助成金ページに詳細が掲載されています。

中小企業の場合、有期雇用から正規雇用への転換で最大80万円(40万円×2期)。まずパート・契約社員として採用し、働きぶりを見た上で正社員に転換するという流れを組めば、ミスマッチリスクを抑えつつ助成金も受給できます。

トライアル雇用助成金(月額最大4万円×3ヶ月)

ハローワーク経由で、就業経験が少ない方やブランクのある方を試用的に雇用した場合に支給される助成金です。月額最大4万円で最長3ヶ月間、合計12万円を受給できます。母子家庭の母・父子家庭の父の場合は月額最大5万円に増額。

金額は大きくありませんが、ハローワークでの採用と組み合わせれば「費用ゼロどころかプラスになる」採用も実現できます。

特定求職者雇用開発助成金(1人あたり最大240万円)

高齢者(60〜64歳)、障がい者、母子家庭の母などを継続雇用した場合に支給される助成金です。対象者や企業規模によって金額は異なりますが、中小企業であれば1人あたり30〜240万円の幅で受給できます。

助成金の申請には一定の手続きが必要ですが、社労士に相談すればスムーズに進められます。「使えるお金」をわざわざ使わない手はありません。

よくある質問(FAQ)

Q: 採用コストの「内部コスト」と「外部コスト」の違いは何ですか?

内部コストは、採用担当者の人件費や面接官の時間コスト、応募者への交通費支給など、社内で発生する費用のことです。外部コストは、求人広告費、人材紹介手数料、採用イベント出展料など、外部に支払う費用を指します。

一般的な構成比は外部コスト7:内部コスト3程度。ただし社員10人以下の会社では、経営者自身が採用を兼務していることが多く、内部コストが「見えにくい」のが実情です。自分の時間もコストとして意識することが、正しい予算設計の第一歩です。

Q: 人材紹介(エージェント)の手数料は年収の何%ですか?

理論年収の30〜35%が標準的な手数料率です。具体的には、年収400万円で約140万円、年収600万円で約210万円。ITエンジニアなど人材の希少性が高い職種では35〜40%になることもあります。

保証期間(90〜180日)内に退職した場合は返金制度がある場合がほとんどですが、契約条件はエージェントごとに異なるので事前に確認してください。

Q: 採用コストの計算方法を教えてください。

基本の計算式は「採用単価 = 採用コスト総額(内部コスト+外部コスト)÷ 採用人数」です。

年間の採用関連費用が150万円で2名を採用した場合、1人あたりの採用単価は75万円。この数字を手法別に出しておくと、どのチャネルが費用対効果が高いかを客観的に比較できます。

Q: ハローワーク以外に無料で求人を出せるサービスはありますか?

Indeed(無料掲載枠あり)、求人ボックス、スタンバイなどの求人検索エンジンには無料枠があります。自社のSNS(X、Instagram、Facebookなど)での発信も費用がかかりません。Googleビジネスプロフィールに求人情報を掲載する方法もあります。

無料だからと放置するのではなく、定期的に原稿を更新し、応募状況を確認することが大切です。

Q: 採用コストが高騰している原因は何ですか?

少子高齢化による労働人口の減少と、有効求人倍率の高止まりが主因です。マイナビの調査では、中途採用費用の平均は2021年の484.3万円から2024年には650.6万円まで増加しています。

特に中小企業は大手との採用競争で不利な立場にあり、従来の「求人を出して待つ」だけの方法では人が集まりにくくなっています。SNSやリファラルなど、お金以外の武器を持つことが重要になっています。

Q: リファラル採用を始めるにはどうすればいいですか?

まずは社内でリファラル採用の制度を周知し、紹介インセンティブ(3〜5万円程度)を設定します。

成功のポイントは3つ。「応募」ではなく「カジュアル面談」を入口にすること。社員の紹介負担を最小化すること。そして経営者自らが旗振り役になること。1人あたりの採用コストは約4万円と、他の手法と比べて圧倒的に低コストです。

まとめ

社員10人以下の会社にとって、採用コストの「正解」は一律ではありません。「売上の○%」という一般的な基準を探すよりも、自社の利益構造から逆算して「いくらまでなら投資できるか」を決めるほうが、はるかに実用的です。

まずやるべきことはシンプルです。

  • 今の採用にかかっている費用(見えない内部コストも含めて)を洗い出す
  • 採用1名あたりのコストを手法別に把握する
  • 粗利から逆算して、年間の採用予算の上限を決める
  • 無料チャネルを土台にして、有料チャネルは集中投資する
  • 採用後はROIで振り返り、翌年の精度を上げる

限られた予算でも、手法の組み合わせ次第で良い人材に出会うことは十分にできます。採用は経費ではなく、会社の未来をつくるための投資です。まずは今の採用コストを可視化するところから始めてみてください。

弊社でも、関西の中小企業に特化した採用の仕組みづくりを支援しています。「うちの規模だと何から始めればいいのか」というご相談だけでも、お気軽にお声がけください。

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