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応募が殺到する「求人票の書き方」のコツ|ターゲットに響くキャッチコピーと会社のアピール方法

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応募が殺到する「求人票の書き方」のコツ|ターゲットに響くキャッチコピーと会社のアピール方法

株式会社SELF ACHIEVE 代表取締役CEOの新原です。

「良い人材からの応募が来ない…」
「求人票をどう書けば、うちの会社の魅力が伝わるのか分からない」

14年間、神戸で多くの中小企業の経営者様と向き合う中で、このような採用に関するお悩みは後を絶ちません。

ハローワークや求人サイトに募集を出しても、期待するような人材からの反応がない。これは多くの経営者様が抱える共通の課題ではないでしょうか。

実は、この課題の解決策は、私たちが14年間実践してきたWEBマーケティングによる「顧客獲得」のノウハウの中にあります。

求人票は単なる募集要項ではありません。未来の仲間へ向けた、会社の想いを伝える「マーケティングメッセージ」です。

本記事では、WEBマーケティング会社の経営者という独自の視点から、応募が殺到する求人票の戦略的な書き方を、具体的なステップと関西での事例を交えて徹底解説します。

【結論】応募が集まる求人票の書き方のコツ 3つのステップ

  • Step 1. 準備:書く前に9割が決まる
    誰に(ペルソナ)」「何を(自社の本当の魅力)」伝えるかを徹底的に明確にします。来てほしい人物像を具体的に描き、給与や休日以外の「独自の強み」を洗い出すことが全ての土台となります。
  • Step 2. 実践:心を掴むライティング
    求人票は「マーケティングツール」です。候補者が得られる「未来(ベネフィット)」が伝わるキャッチコピーを作り、仕事内容は単なる”作業”ではなく”価値”を伝えるストーリーとして記述します。
  • Step 3. 差別化:中小企業ならではの魅力を伝える
    社員の成長への投資(資格取得支援など)」「地域社会とのつながり」「堅実な経営基盤」といった、大手にはない”実直さ”や”誠実さ”こそが、求職者にとって大きな安心感と魅力になります。

本文では、これらのステップを具体的な例文やNG例との比較を交えながら、さらに詳しく解説します。

目次

なぜ応募が来ない?求人票の「書き方」をマーケティング視点で見直す

まず最初に、なぜ多くの求人票が候補者に響かないのか、その根本的な原因から考えてみましょう。

多くの企業が陥る「3つの間違い」

弊社にも「求人を出しても全く応募がないんです」というご相談を本当によくいただきます。その求人票を拝見すると、ほとんどの場合、共通する3つの間違いに陥っています。

1. ただの「作業」になっている(戦略がない)

求人票の作成が、テンプレートを埋めるだけの「作業」になっていませんか?「どんな人に来てほしいか」が曖昧なまま、とりあえず項目を埋めて掲載するだけでは、誰の心にも響きません。

2. 自社の「言いたいこと」ばかり書いている(ターゲット視点がない)

「こんな事業をやっています」「こんなスキルが必要です」といった企業側の都合ばかりを書いてしまうケースです。求職者が知りたいのは「この会社で働くと、自分にどんな良いことがあるのか?」という未来です。

3. 他社の「真似」をしている(独自性がない)

同業他社の求人票を参考にすることは悪くありません。しかし、表現を少し変えただけで、結局は同じような内容になってしまっては、数多くの求人情報の中に埋もれてしまいます。特に中小企業は、大手と同じ土俵で戦っても勝ち目はありません。

これらの間違いは、求人活動を「マーケティング活動」として捉えられていないことに起因します。

求人票は「募集要項」ではなく「マーケティングツール」である

ここが本記事で最もお伝えしたい核心です。

求人票とは、未来の社員という「顧客」に対して、自社という「商品」の魅力を伝え、応募という「購買行動」を促すためのマーケティングツールです。

私が14年間、WEBマーケティングの世界で実践してきた「顧客獲得」のプロセスと、採用活動は本質的に同じです。

マーケティング(顧客獲得)採用活動(人材獲得)
ターゲット顧客は誰か?求める人物像(ペルソナ)は誰か?
商品の強み(USP)は何か?自社の魅力(働きがい)は何か?
心に響く広告コピーを作る心に響くキャッチコピーを作る
購入(問い合わせ)を促す応募を促す

このように置き換えてみると、私たちが培ってきた顧客獲得のノウハウが、なぜ採用に応用できるのか、ご理解いただけるのではないでしょうか。

次の章からは、このマーケティングの考え方に基づいた、具体的な求人票の作成ステップを解説していきます。

【STEP1】書く前にすべてが決まる!ターゲット設定と自社分析

優れた求人票は、書き始める前の「準備」で9割が決まります。誰に、何を伝えるのか。この土台をしっかり固めましょう。

求める人物像(ペルソナ)を具体的に描く方法

「どんな人に来てほしいですか?」とお聞きすると、「真面目でやる気のある人」といった漠然とした答えが返ってくることがあります。これでは、メッセージがぼやけてしまい、誰にも響きません。

大切なのは、たった一人に宛てて手紙を書くように、求める人物像(ペルソナ)を具体的に描き出すことです。

実際に弊社がクライアント支援で使っているペルソナシートの項目を参考に、ぜひあなたの会社が求める人物像を書き出してみてください。


【ペルソナ設定シート(例)】

  • 基本情報:
    • 年齢:32歳
    • 性別:男性
    • 居住地:神戸市東灘区
    • 家族構成:妻と3歳の娘
  • 経歴・スキル:
    • 現在の職種:中小メーカーの営業事務
    • 経験年数:5年
    • スキル:Excel(VLOOKUP、ピボットテーブル)、Word、PowerPoint
    • 資格:日商簿記3級
  • 価値観・性格:
    • 性格:真面目でコツコツ取り組むタイプ。チームワークを大切にする。
    • 仕事の価値観:「誰かの役に立っている」実感を得たい。安定した環境で長く働きたい。
    • 情報収集:転職サイト、企業の採用ページ、口コミサイト
  • 悩み・課題:
    • 現在の職場の不満:評価制度が曖昧で、頑張りが給与に反映されない。もっと裁量のある仕事がしたい。
    • 転職で実現したいこと:地域に根ざした会社で、自分の仕事が会社の成長に直結する手応えを感じたい。残業は少なくして、家族との時間も大切にしたい。

ここまで具体的に描くことで、「彼に響くメッセージは何か?」がおのずと見えてきます。

自社の「本当の魅力(USP)」を見つけ出す3つの質問

「給料や休日では大手に勝てない…」
これは、多くの中小企業の経営者様が抱える悩みだと思います。

しかし、魅力は待遇だけではありません。次の3つの質問に答えることで、自社ならではの独自の強み(USP: Unique Selling Proposition)を見つけ出しましょう。

  1. どんな社風・文化があるか?
    • 社長や上司との距離は近いか?(例:月1回の社長とのランチ会)
    • チームの雰囲気は?(例:困った時は部署を超えて助け合う文化)
    • ユニークな制度やイベントは?(例:家族も参加できるBBQ大会)
  2. どんな成長機会があるか?
    • 若手でも裁量権のある仕事を任せてもらえるか?
    • 資格取得支援や研修制度は充実しているか?
    • 経営層から直接フィードバックをもらえる機会はあるか?
  3. どんな社会貢献ができるか?
    • 自社の製品やサービスは、地域社会のどんな課題を解決しているか?
    • お客様からどんな「ありがとう」の言葉をもらっているか?
    • 仕事を通じて、どんな誇りを感じられるか?

特に、実用性や長期的な関係性を重視する傾向のある関西の企業様では、「社員の成長にしっかり投資する」「地域のお祭りに毎年参加している」といった、堅実で地域に根ざした活動が、求職者にとって大きな魅力となるケースが多々あります。

【STEP2】ターゲットの心を掴む!応募が殺到するキャッチコピーの作り方

ペルソナと自社のUSPが明確になったら、次はいよいよ候補者の心を掴むキャッチコピーを作成します。これは、WEBマーケティングにおける広告コピーの作成と全く同じ技術です。

14年の実績から導き出した「刺さる」キャッチコピーの4つの型

弊社の14年間の実績から、特に効果の高いキャッチコピーの型を4つご紹介します。

  1. ベネフィット提示型
    • 候補者が得られる「未来」を具体的に示す型。
    • 例:「残業月平均5時間。家族との夕食を大切にできる経理スタッフ募集」
    • 例:「入社3年で年収600万円も可能。成果が正当に評価される営業職」
  2. 共感・問いかけ型
    • ペルソナの悩みに寄り添い、「これは自分のことだ」と思わせる型。
    • 例:「『ありがとう』と言われる仕事がしたい。そんなあなたを待っています」
    • 例:「今の職場で、あなたのアイデアは活かされていますか?」
  3. 意外性・インパクト型
    • 常識を覆すような言葉で、興味を引く型。
    • 例:「Excelは使えなくてOK。私たちが求めるのは『聞き上手』な営業事務です」
    • 例:「社長の右腕、募集。ただし、指示待ち人間はお断りします」
  4. ターゲット限定型
    • あえて対象を絞ることで、「あなたに来てほしい」という強いメッセージを伝える型。
    • 例:「【神戸市勤務・転勤なし】地元で腰を据えて働きたいエンジニア募集」
    • 例:「子育て中のママさん活躍中!9時〜16時の時短勤務OKのWEBデザイナー」

【NG例と改善例】よくあるキャッチコピーを劇的に変える方法

抽象的な表現を具体的にするだけで、キャッチコピーは劇的に変わります。

NG例(よくある表現)改善例(ターゲットに響く表現)
アットホームな職場です毎朝の雑談から一日が始まる、社長との距離も近い職場です
やりがいのある仕事ですお客様の「困った」を「ありがとう」に変えるルート営業
未経験者歓迎!元カフェ店員も活躍中!充実の研修でイチから学べるITサポート
スキルアップできます資格取得費用は全額会社負担。働きながら市場価値を高めませんか?

少しの工夫で、伝わり方が全く違うことがお分かりいただけるでしょうか。

【STEP3】具体的で魅力的!求人票本文の戦略的ライティング術

キャッチコピーで興味を引いたら、次は本文で「この会社で働きたい」と強く思ってもらうためのステップです。

「仕事内容」は”作業”ではなく”価値”を伝える

求人票でよく見かけるのが、「データ入力」「電話応対」「資料作成」といった作業の羅列です。これでは、仕事の面白みや重要性が全く伝わりません。

大切なのは、その仕事が会社や社会にとってどんな価値を生んでいるのかをストーリーとして語ることです。

(改善前)
仕事内容:
・請求書作成、データ入力
・電話、来客応対
・備品管理

(改善後)
仕事内容:
営業メンバーがお客様に集中できるよう、バックオフィスからサポートするのがあなたの役目です。請求書の作成やデータ入力を通じて、会社の成長を数字で支える「縁の下の力持ち」として活躍してください。「〇〇さんがいてくれるから助かるよ」そんな言葉がやりがいになる仕事です。

さらに、「1日の仕事の流れ」を具体的に示すことで、求職者は入社後の自分をイメージしやすくなり、ミスマッチを防ぐ効果もあります。

「求める人材」は”条件”ではなく”未来の仲間へのメッセージ”

「求める人材」の欄も、単なる条件のリストになっていませんか?ここも、未来の仲間へ向けたメッセージを伝える絶好の機会です。

まず、条件は「MUST(必須条件)」「WANT(歓迎条件)」に明確に分けましょう。これにより、応募のハードルを必要以上に上げてしまうのを防げます。

その上で、「こんな方と一緒に未来を作りたい」というポジティブなメッセージを加えましょう。

(改善例)
【必須条件】
・基本的なPCスキル(Word, Excel)
・営業事務または経理事務の経験2年以上

【歓迎条件】】
・日商簿記3級以上の資格をお持ちの方
・チームで協力して仕事を進めるのが好きな方

\こんな方と一緒に働きたいです!/
私たちは、ただ言われたことをこなすだけでなく、「もっとこうすれば良くなるのでは?」と主体的に考えて行動できる方と、一緒に会社を大きくしていきたいと考えています。あなたの気づきやアイデアが、会社を動かす力になります!

経営者としての想いを、ぜひご自身の言葉で伝えてみてください。

関西企業が特にアピールすべき「会社の特長」

コスト意識や長期的な関係性を大切にする関西の企業様だからこそ、特に響きやすいアピールポイントがあります。

社員の成長への投資

「資格取得支援制度(費用全額負担)」「外部研修への参加推奨」など、社員のスキルアップを本気で応援する姿勢は、堅実な求職者に高く評価されます。

地域社会とのつながり

「創業50年、地域の〇〇産業を支えてきました」「地元のお祭りに毎年協賛しています」など、地域に根ざした安定感は大きな魅力です。

堅実な経営基盤

「無借金経営を続けています」「主要取引先は大手企業で安定しています」といった事実は、安心して長く働きたいと考える求職者にとって重要な判断材料になります。

派手さはありませんが、こうした「実直さ」や「誠実さ」こそが、中小企業の強力な武器になるのです。

よくある質問(FAQ)

最後に、採用活動を進める上で経営者様からよくいただく質問にお答えします。

Q: 給与や休日などの待遇面で、他社に見劣りする場合はどうすれば良いですか?

A: 14年間の経営経験からお答えします。待遇は重要な要素ですが、全てではありません。中小企業の本当の魅力は「成長機会」「裁量権の大きさ」「経営層との近さ」などにあると私は考えています。正直に現状の待遇を伝えつつ、それ以外の「自社ならではの価値」を、今回お伝えしたマーケティング視点でしっかりとアピールすることが何よりも重要です。

Q: 専門用語が多くて、求職者に仕事内容が伝わりにくい場合はどうすれば?

A: WEBマーケティングの世界も専門用語が多いので、そのお気持ちはよく分かります。コツは「中学生でも分かる言葉で説明する」ことです。どうしても専門用語を使う際は、必ず注釈を入れるか、「具体的には、お客様のホームページが検索で上位に表示されるようお手伝いする仕事です」のように、平易な言葉で言い換える工夫をしましょう。

Q: 写真や動画はどのくらい効果がありますか?

A: 非常に効果的です。弊社の経験上、テキストだけの情報よりも、実際の職場の雰囲気や社員の笑顔が伝わる写真・動画がある方が、応募率は格段に上がります。特に、関西の企業様は理屈よりも「人情」や「人の魅力」を大切にする文化がありますので、積極的に活用することをおすすめします。

Q: ハローワークの求人票でも、これらのテクニックは使えますか?

A: はい、もちろんです。ハローワークの求人票は文字数制限がありますが、「職種名」を工夫したり(例:「経理事務」→「会社の成長を支える経理サポーター」)、「仕事の内容」や「特記事項」の欄を最大限活用したりすることで、今回ご紹介したマーケティングの考え方を存分に活かすことが可能です。

Q: どの求人媒体を選べば良いか分かりません。

A: まずは、STEP1で設定したターゲット(ペルソナ)が、どの媒体をよく見ているかを考えることが第一歩です。若手ならSNSと連携した媒体、専門職なら特化型のサイトなど、顧客にアプローチするのと同じ考え方で媒体を選定しましょう。弊社のような支援会社では、そうした媒体選定からのご支援も行っています。

まとめ

本記事では、私の14年間のWEBマーケティングの経験に基づき、求人票を「マーケティングツール」として捉え直し、応募が殺到する求人票を作成するための具体的なステップを解説しました。

大切なポイントをもう一度振り返ります。

  • 求人票は、未来の仲間へ向けたマーケティングメッセージである。
  • 書く前に、誰に(ペルソナ)、何を(自社のUSP)伝えるかを明確にする。
  • キャッチコピーと本文で、候補者が得られる未来(ベネフィット)を具体的に語る。

これは、顧客獲得も人材獲得も、その本質は同じだということです。

今日からすべてを実践するのは難しいかもしれません。もしよろしければ、まずは「あなたの会社が本当に求める人物像を、一枚の紙に書き出してみる」ことから始めてみてください。

その一枚の紙が、未来の素晴らしい仲間と出会うための、最強のマーケティング戦略の第一歩となるはずです。

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新原秀崇 監修者:新原秀崇

株式会社SELF ACHIEVE 代表取締役CEO。2011年の創業以来14年間、神戸を拠点にWEBマーケティング会社を経営。中小企業の顧客獲得支援で培ったSNS集客ノウハウを採用分野に応用し、関西企業の採用課題解決を専門とする。「採用の仕組み化」「採用の資産化」をコンセプトに、持続可能な採用戦略の構築を支援している。

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