ハローワークと求人サイトだけで大丈夫?中小企業が見落としがちな採用チャネル5選と活用法 | サイカツ.R

ハローワークと求人サイトだけで大丈夫?中小企業が見落としがちな採用チャネル5選と活用法

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ハローワークと求人サイトだけで大丈夫?中小企業が見落としがちな採用チャネル5選と活用法

株式会社SELF ACHIEVE 代表の新原です。

「ハローワークに求人を出しても、なかなか応募が来ない」
「大手求人サイトは費用が高い割に、求める人材に出会えない」

同じ中小企業の経営者として、このような悩みを抱えたことはありませんか?

14年間、神戸でWEBマーケティング会社を経営し、多くの中小企業様の顧客獲得をお手伝いしてきた経験から断言できるのは、現代の採用活動は、顧客獲得と同じ『マーケティング活動』であるということです。

本記事では、従来の「待ち」の採用から脱却し、WEBマーケティングの視点を活かした「攻め」の採用チャネル5選を、関西企業の事例も交えながら具体的に解説します。

【この記事の結論】中小企業が見直すべき採用チャネル5選

  1. SNS採用
    • 企業の「人柄」を伝え、ファンを作る。InstagramFacebookで社員の日常や仕事の裏側を発信する。
  2. オウンドメディア
    • 採用サイトやブログで企業の魅力を「資産」として蓄積する。SEOを意識し、検索からの応募者を増やす。
  3. リファラル採用
    • 社員紹介制度。ミスマッチが少なく、最も定着率が高い手法の一つ。
  4. ダイレクトリクルーティング
    • 欲しい人材に直接スカウトを送る。中小企業が大手と対等に戦えるチャンス。
  5. 地域のイベント・コミュニティ
    • 商工会議所や勉強会に参加する。経営者の顔が見える関係性を築き、思わぬ縁に繋げる。
目次

なぜ、ハローワークと求人サイトだけでは限界なのか?

まず初めに、なぜ従来の手法だけではうまくいかなくなっているのか、その理由を一緒に考えていきましょう。

経営者が感じる「待ちの採用」の課題

ハローワークや大手求人サイトは、いわば「お店を構えてお客様を待つ」スタイルです。もちろん重要な手法ですが、これだけに頼っていると、いくつかの課題に直面します。

応募者の「質」が担保できない

誰でも応募できるため、自社の価値観や求めるスキルと合わない方からの応募も多くなり、選考に多大な時間がかかってしまう。

費用対効果が見えにくい

高額な掲載料を支払っても、応募がゼロというケースも珍しくありません。特に知名度で劣る中小企業は、多くの求人に埋もれてしまいがちです。

自社の魅力が伝わりきらない

限られたフォーマットの中では、給与や待遇といった条件面が目立ち、職場の雰囲気や仕事のやりがいといった、中小企業ならではの本当の魅力を伝えきれません。

弊社の経験でも、創業当初は同じように求人サイトに掲載して応募を待つだけでした。しかし、応募は少なく、面接に来てもらっても「思っていたのと違った」と言われることもしばしば。

この経験から、「待ち」の姿勢ではダメだと痛感したのです。

WEBマーケティング視点で見る採用市場の変化

顧客が商品を買う前に、インターネットで口コミや評判を徹底的に調べるのが当たり前になったように、求職者も企業の「リアルな情報」を自ら探す時代になっています。

求職者は、企業の公式ウェブサイトだけでなく、SNSでの社員の投稿、口コミサイト、社長のブログなど、あらゆる情報源から「この会社は本当に自分に合っているのか?」を判断しています。

つまり、求人サイトに情報を掲載するだけの広告型の採用手法は、情報感度の高い優秀な人材ほど届きにくくなっているのです。

これからの採用は、企業側から積極的に情報を発信し、未来の仲間候補に見つけてもらう「コンテンツマーケティング」の視点が不可欠と言えるでしょう。

【WEBマーケ視点で解説】中小企業が見落としがちな採用チャネル5選

では、具体的にどのような採用チャネルがあるのでしょうか。ここでは、私たち自身も実践し、多くの関西の中小企業様で成果が出ている5つのチャネルを、WEBマーケティングの視点から解説します。

1. SNS採用:未来の仲間と出会う「ファン作り」

SNS採用は、単に求人情報を告知する場ではありません。これは、企業のファンを作るための「コミュニティ運営」です。

弊社の専門分野であるSNS集客のノウハウは、採用にこそ活かせます。重要なのは、広告費をかけることではなく、企業の「人柄」を伝えることです。

具体的なアクションプラン

  • 社員インタビュー: 仕事のやりがいや入社のきっかけを語ってもらう。
  • 日常の風景: オフィスでのランチ風景や、社内イベントの様子を発信する。
  • プロジェクトの裏側: 苦労した点や成功の喜びなど、リアルなストーリーを共有する。

例えば、神戸のあるIT企業では、Instagramでエンジニアの日常や勉強会の様子を発信し続けた結果、「楽しそうな雰囲気に惹かれた」という応募者が増え、採用コストを大幅に削減できました。

まずはコストのかからないInstagramやFacebookから、週に2〜3回の投稿を目標に始めてみましょう。

2. オウンドメディアリクルーティング:企業の魅力を蓄積する「資産型採用」

採用サイトや社長ブログ、社員ブログといったオウンドメディアは、24時間365日、御社の魅力を伝え続けてくれる「インターネット上の営業マン」です。

一度書いた記事はインターネット上に残り続けるため、企業の魅力が「資産」として蓄積されていきます。

SEO(検索エンジン最適化)を意識すれば、「神戸 営業職 未経験」といったキーワードで検索した求職者に直接アプローチすることも可能です。

中小企業が発信すべきコンテンツ例

  • 社員の成長ストーリー: 未経験で入社した社員が、どのように活躍しているか。
  • プロジェクトの裏側: 顧客の課題をどう解決したか、そのプロセスを紹介。
  • 経営者の想い: なぜこの事業を始めたのか、どんな会社にしたいのかを語る。

すぐに効果が出るものではありませんが、継続することで「この会社で働きたい」という熱意の高い応募者を集める強力な武器になります。

3. リファラル採用:信頼をベースにした「紹介マーケティング」

リファラル採用、つまり社員紹介制度は、最も成約率の高い「紹介マーケティング」と言えるでしょう。

なぜなら、自社のことをよく理解している社員が「この人ならうちの会社に合う」と判断した上で紹介してくれるため、ミスマッチが起こりにくいからです。

成功のポイント

  • 魅力的なインセンティブ設計: 紹介してくれた社員、入社してくれた方の双方にメリットがある制度を作りましょう。(例:特別休暇、報奨金など)
  • 協力体制の構築: 「会社を良くするために、みんなで仲間を探そう」という文化を醸成することが大切です。経営者からその想いを伝え続けましょう。

弊社でもこの制度を導入していますが、社員の友人ということもあり、定着率が非常に高いのが特徴です。信頼できる仲間が増えることは、経営者にとって何よりの喜びではないでしょうか。

4. ダイレクトリクルーティング:欲しい人材に直接届ける「攻めの採用」

ダイレクトリクルーティングは、企業側から求職者に直接スカウトメールを送る手法です。これは、見込み顧客にアプローチする「アウトバウンド営業」と同じ考え方です。

知名度の低い中小企業にとって、これは大手企業と同じ土俵で戦える数少ないチャンスです。重要なのは、一人ひとりに合わせた「特別感」のあるスカウトメールを送ることです。

返信がもらえるスカウトメールのコツ

  • 具体的に褒める: 相手の職務経歴書のどこに魅力を感じたのかを具体的に記載する。
  • 「あなたに来てほしい理由」を伝える: 相手のスキルや経験が、自社のどの部分で活かせるのかを明確に提示する。
  • カジュアルな面談を提案する: 「まずは一度、気軽にお話ししませんか?」と、応募へのハードルを下げる。

一斉送信のテンプレート文では、まず読まれません。14年間培ってきたマーケティングの経験から言えるのは、「自分ごと」として捉えてもらう工夫が、相手の心を動かすということです。

5. 地域のイベント・コミュニティ参加:リアルで出会う「オフラインマーケティング」

最後は、WEBから少し離れたオフラインの手法です。地域の商工会議所や業界の勉強会、セミナーなどは、質の高い見込み客(候補者)が集まる絶好の機会です。

特に私たちのような関西の企業にとっては、地域との繋がりが大きな強みになります。

参加すべきコミュニティ・イベント例

  • 地域の商工会議所や青年会議所(JC)
  • 業界団体が主催する勉強会や交流会
  • 地域の大学が開催するキャリアイベント

神戸や阪神間には、志の高い経営者やビジネスパーソンが集まる場がたくさんあります。そこで名刺交換をするだけでなく、「今、こんな人材を探しているんです」と自社のビジョンを語ることで、思わぬご縁に繋がることがあります。

これは、地域に根ざした企業だからこそできる「オフラインマーケティング」なのです。

採用を「仕組み化」する!WEBマーケティング思考の活かし方

ここまで5つのチャネルをご紹介しましたが、これらをバラバラに行っても効果は半減してしまいます。重要なのは、WEBマーケティングの考え方を使って、採用活動全体を「仕組み化」することです。

1. 採用ペルソナの設定:「誰に」届けたいかを明確にする

顧客獲得のために「どんなお客様に商品を届けたいか」を考えるのと同じように、採用でも「どんな人に仲間になってほしいか」という人物像(ペルソナ)を具体的に設定しましょう。

スキルや経験だけでなく、価値観、性格、働き方の希望まで掘り下げて考えることで、発信するメッセージが明確になり、本当に届けたい人に響くようになります。

2. 採用ファネルの構築:候補者との関係性を育てる

「採用ファネル」とは、候補者が会社を認知し、興味を持ち、応募し、採用に至るまでのプロセスを段階的に考えるモデルです。

ファネル段階目的有効なチャネル
認知まずは会社を知ってもらうSNS、オウンドメディア、地域イベント
興味・関心会社の魅力に興味を持ってもらうオウンドメディアの記事、SNSの日常発信
比較・検討他社と比較し、応募を考えてもらう社員インタビュー記事、採用サイト
応募・採用応募してもらい、仲間になってもらうダイレクトリクルーティング、リファラル採用

このように、各チャネルがどの段階で機能するのかを整理し、一貫したメッセージを発信することで、候補者との関係性を着実に育てていくことができます。

3. 情報発信の継続:企業の「人柄」を伝え続ける

一度きりの求人広告では、企業の「人柄」は伝わりません。SNSやブログでの日々の情報発信こそが、企業のファンを増やし、採用ブランディングに繋がります。

「毎日投稿するのは大変だ…」と思われるかもしれません。経営者として、そのお気持ちはよく分かります。最初から完璧を目指す必要はありません。

まずは週に1回、社内で起きた出来事をブログに書くことから始めてみましょう。継続することが、未来への最大の投資になります。

よくある質問(FAQ)

Q: 採用活動にかけられる予算がほとんどありません。何から始めるべきですか?

A: 14年間の経験から、まずはコストのかからないSNS(特にInstagramやFacebook)から始めることをお勧めします。重要なのは広告を出すことではなく、自社の雰囲気や社員の魅力を継続的に発信することです。まずは週に2〜3回の投稿を目標に、社内の日常を発信してみましょう。

Q: WEBマーケティングの知識が全くないのですが、実践できますか?

A: もちろんです。専門用語を覚える必要はありません。「自社の魅力を、未来の仲間にどう伝えれば響くか?」という顧客目線(この場合は求職者目線)で考えることが第一歩です。この記事で紹介した5つのチャネルは、専門知識がなくても始められるものばかりです。

Q: SNS採用は炎上リスクが怖いのですが、注意点はありますか?

A: 経営者としてお気持ちはよく分かります。重要なのは、完璧を目指さないことです。社員の素顔やありのままの姿を発信することが共感を呼びます。政治や宗教など、意見が分かれる話題を避け、ポジティブで誠実な情報発信を心がければ、リスクは最小限に抑えられます。

Q: すぐにでも人材が必要な場合、どのチャネルが効果的ですか?

A: 緊急性が高い場合は、ダイレクトリクルーティングが最も即効性があります。転職意欲の高い層に直接アプローチできるからです。ただし、長期的な視点では、オウンドメディアやSNSでの情報発信を並行して行い、未来の応募者を育てていく「仕組み」を作ることが不可欠です。

Q: 関西エリアの中小企業ならではの採用のコツはありますか?

A: 神戸を拠点とする私の経験上、関西の求職者は特に「人情」や「会社の雰囲気」を重視する傾向があります。SNSや地域のイベントを活用し、経営者や社員の顔が見える情報発信をすることが、東京の企業との差別化に繋がり、非常に効果的です。

まとめ

ハローワークや大手求人サイトだけに頼る採用活動は、例えるなら「店先でひたすらお客様を待つ」ようなものです。

これからの時代、中小企業が採用競争を勝ち抜くためには、自ら積極的に情報を発信し、未来の仲間候補との関係を築いていく「採用マーケティング」の視点が不可欠です。

今回ご紹介した5つのチャネルは、14年間WEBマーケティングの現場で培ってきた私自身の経験からも、中小企業にとって非常に有効な手法です。すべてを一度に始める必要はありません。まずは自社に合ったもの、例えばSNSでの情報発信からでも結構です。

最初の一歩を踏み出し、「待ち」の採用から「攻め」の採用へと転換していきましょう。


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新原秀崇 監修者:新原秀崇

株式会社SELF ACHIEVE 代表取締役CEO。2011年の創業以来14年間、神戸を拠点にWEBマーケティング会社を経営。中小企業の顧客獲得支援で培ったSNS集客ノウハウを採用分野に応用し、関西企業の採用課題解決を専門とする。「採用の仕組み化」「採用の資産化」をコンセプトに、持続可能な採用戦略の構築を支援している。

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