採用動画の効果的な作り方とは?企業の魅力を3分で伝える企画術

「採用動画を作ってみたものの、応募に繋がらない…」
神戸で14年間、中小企業のWEBマーケティングを支援してきた経営者として、多くの企業様が同じ悩みを抱えているのを目の当たりにしてきました。株式会社SELF ACHIEVE代表の新原です。
実は、効果的な採用動画の鍵は、撮影技術や高価な機材ではなく、その前段階の「企画」にあります。
採用活動は、顧客獲得と同じマーケティング活動です。誰に、何を、どのように伝えるかという戦略がなければ、どんなに綺麗な動画を作っても求める成果には繋がりません。
この記事では、弊社の14年間のWEBマーケティングのノウハウを応用し、企業の本当の魅力を3分で伝え、求める人材からの応募を増やすための「採用動画の企画術」を、具体的なステップで解説します。
【この記事の結論】採用動画で成果を出す「企画・構成・活用」の鉄則
- 企画が成功の9割
撮影前に「誰に(ターゲット)」「何を(コアメッセージ)」「どうしてほしいか(ゴール)」を明確にすることが最重要です。- 3分間の黄金構成
冒頭5秒で心を掴み、社員インタビューで「リアルな現場」を伝え、最後に行動(エントリー等)を促す流れを作ります。- 中小企業の勝ち筋
大企業の真似をせず、飾らない「等身大の社風」や具体的な「成長環境」を映像化して差別化します。- 作った後が本番
YouTubeのSEO対策、採用サイトへの埋め込み、SNS広告での拡散を組み合わせ、ターゲットに確実に届けます。
目次
なぜ今、中小企業の採用に「動画」が必要不可欠なのか?
「そもそも、なぜ採用に動画が有効なのだろうか?」
そう疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。まずは、採用市場が激化する現代において、特に私たち中小企業が動画を活用すべき3つの本質的な理由についてお話しさせてください。
テキストの2倍記憶に残る!動画が持つ圧倒的な情報伝達力
突然ですが、1分間の動画が伝える情報量は、文字に換算すると180万語に相当すると言われています。また、アメリカ国立訓練研究所の研究によると、動画のような視聴覚情報を活用した場合の学習定着率は、テキストを読むだけの場合の2倍に達するというデータもあります。
求人サイトのテキストや写真だけでは伝えきれない、職場の活気ある雰囲気、社員の生き生きとした表情、製品が作られる過程のダイナミズム。これらを視覚と聴覚に直接訴えかけることで、求職者の記憶に強く、深く、企業の魅力を刻み込むことができるのです。
これは、数多くの求人情報に目を通す求職者に対して、他社との明確な差別化を図る上で非常に強力な武器となります。
会社の「リアルな雰囲気」を伝え、入社後のミスマッチを防ぐ
「入社前に聞いていた話と、実際の雰囲気が違った…」これは、早期離職の最も大きな原因の一つです。特に、私たち中小企業の最大の魅力である「社風」や「人」といった定性的な価値は、文章だけで伝えるのが非常に難しいと感じたことはありませんでしょうか。
採用動画では、実際に働く社員のインタビューや、オフィスでの何気ない会話、チームで協力して仕事を進める様子など、会社の「リアルな雰囲気」をありのままに伝えることができます。求職者は、動画を通してその会社で働く自分の姿を具体的にイメージし、「この人たちと一緒に働きたい」という共感を抱きやすくなります。
この事前の相互理解が、入社後の「こんなはずじゃなかった」というミスマッチを劇的に減らし、結果として社員の定着率向上、ひいては採用コストの最適化にも繋がるのです。
関連記事: 「また辞めてしまった…」を防ぐ。社員の定着率が低い会社に共通する採用前の3つの間違いと改善策
採用もマーケティング。企業の魅力を資産として蓄積する
14年間WEBマーケティングの世界に身を置いてきて確信しているのは、「採用活動はマーケティング活動そのものである」ということです。そして、採用動画は、一度作れば終わり、という単発の施策ではありません。
完成した動画は、企業の公式YouTubeチャンネル、採用サイト、各種SNS、会社説明会、求人媒体など、様々なプラットフォームで半永久的に活用できる「デジタル資産」となります。この資産は、24時間365日、貴社の魅力を未来の候補者へ届け続けてくれる、いわば「インターネット上の営業マン」です。
継続的に情報発信を行うことで、企業の認知度向上やブランディングにも貢献し、長期的に見て採用力を着実に強化していくことができるのです。
【企画が9割】採用動画で失敗しないための目的設定3ステップ
採用動画の制作に取り掛かる前に、最も重要なことがあります。それは「目的を明確にすること」です。ここを曖昧にしたまま進めてしまうと、どんなにクオリティの高い動画を作っても「誰にも響かない、ただの自己満足の動画」で終わってしまいます。
弊社の14年間のWEBマーケティング支援の経験から言っても、成果の9割は企画段階で決まります。ここでは、失敗しないための目的設定を3つのステップで具体的に解説します。
STEP1:誰に届けたいのか?(ターゲット/ペルソナ設定)
まず最初に考えるべきは、「誰に、この動画を届けたいのか?」ということです。「優秀な若手なら誰でも」といった漠然としたターゲット設定は、結果的に誰の心にも響きません。顧客獲得の際に、具体的な顧客像(ペルソナ)を設定するのと同じです。
ペルソナ設定の例
- ターゲット: 営業職の経験を持つ20代後半の第二新卒
- 価値観: 大企業よりも、個人の裁量が大きく、成長できる環境を求めている
- 情報収集: 転職サイトと並行して、企業のSNSやYouTubeでリアルな情報を探している
- 悩み: 現在の職場では、年功序列で意見が通りにくく、もっと主体的に働きたいと感じている
このように、年齢や職種だけでなく、価値観や悩みまで具体的に掘り下げることで、その人物に「自分ごと」として捉えてもらえるメッセージが見えてきます。実際に、弊社が顧客獲得支援を行う際も、このペルソナ設定を徹底することで、広告のクリック率や成約率が劇的に改善するケースは少なくありません。
採用も全く同じです。まずは、たった一人でいいので、貴社が本当に来てほしい理想の人物像を思い描いてみましょう。
STEP2:何を伝えたいのか?(コアメッセージの設定)
ターゲットが明確になったら、次に「その人に、何を一番伝えたいのか?」を考えます。これが動画のコアメッセージとなります。
多くの中小企業様が「うちには給与や待遇面でアピールできることがない」とおっしゃいます。しかし、本当にそうでしょうか。求職者、特に若い世代は、必ずしも条件だけで会社を選んでいるわけではありません。大切なのは、自社の持つ独自の魅力を発見し、それをターゲットに響く言葉で伝えることです。
コアメッセージの例
- ターゲット(ペルソナ): 成長意欲の高い20代
- 自社の魅力: 若手でも挑戦的なプロジェクトを任せる社風、失敗を恐れずチャレンジできる文化
- コアメッセージ: 「安定より、成長を。君の挑戦が、会社の未来を創る。」
給与や休日といった「条件(What)」だけでなく、「なぜこの仕事をするのか(Why)」や「どのように働けるのか(How)」といった、貴社ならではの価値観や文化を伝えることが、他社との差別化に繋がります。ぜひ、社員の皆さんと一緒に、自社の本当の魅力を書き出してみてください。
STEP3:動画を見た後どうしてほしいのか?(ゴールの設定)
最後に、動画を見たターゲットに「具体的にどんな行動をとってほしいのか」というゴール(CTA:Call To Action)を明確に設定します。このゴールによって、動画の構成や最後の締め方が大きく変わってきます。
| ゴール(目的) | 動画で伝えるべき内容 | CTA(行動喚起)の例 |
|---|---|---|
| 認知度向上 | 企業のビジョンや事業の社会貢献性 | 「〇〇(会社名)を覚えてください」 |
| 企業理解の促進 | 具体的な事業内容、独自の技術、働く環境 | 「もっと詳しく知りたい方は、採用サイトへ」 |
| 説明会への誘導 | 会社説明会の魅力、参加するメリット | 「説明会でお会いしましょう。ご予約はこちら」 |
| エントリー数の増加 | 募集職種のやりがい、求める人物像 | 「未来の仲間からのエントリーをお待ちしています」 |
例えば、「とにかく多くの人に会社を知ってほしい」という認知度向上が目的なら、ストーリー性のある感動的な動画が有効かもしれません。一方で、「具体的なエントリー数を増やしたい」のであれば、仕事のやりがいや求める人物像を明確に伝え、最後にエントリーページへスムーズに誘導する構成が求められます。
この3つのステップ「誰に」「何を」「どうしてほしいのか」を明確にすることが、採用動画制作の成功に向けた最も重要な羅針盤となるのです。
3分で心を掴む!効果的な採用動画の基本構成テンプレート
目的が明確になったら、いよいよ具体的な動画の構成を考えていきましょう。採用動画の最適な長さは目的によって異なりますが、一般的に求職者が集中して視聴できるのは2〜3分と言われています。
ここでは、弊社の経験から最も効果的だと考える、3分間の基本構成テンプレートをご紹介します。この型に沿って考えることで、メッセージが伝わりやすく、視聴者を飽きさせない動画を作ることができます。
冒頭5秒が勝負!視聴者の心を掴むオープニング(〜0:05)
YouTubeなどのプラットフォームでは、最初の数秒で視聴を続けるかどうかが判断されてしまいます。ここでいかに「お、これは面白そうだ」「自分に関係がありそうだ」と思わせるかが極めて重要です。
オープニングの例
- 問いかけ型: 「今の仕事に、本当にワクワクしていますか?」
- インパクト映像型: ドローンを使ったダイナミックな社屋の映像や、製品が動く印象的なシーン
- 共感型: 「『どうせ無理』そんな言葉に、うんざりしていませんか?」
ターゲットが思わずドキッとするような問いかけや、美しい映像で興味を引きつけ、次の展開への期待感を高めましょう。
会社紹介・事業内容(〜1:05):私たちは何者で、何を目指しているのか
次に、自分たちが何者で、社会に対してどのような価値を提供しているのかを伝えます。ただし、ここでやってしまいがちなのが、会社概要を淡々と読み上げるだけの退屈な紹介です。大切なのは、単なる事実の羅列ではなく、ストーリーとして語ることです。
ストーリーで語る会社紹介のポイント
- 創業の想い: なぜこの事業を始めたのか?
- ビジョン: この事業を通して、どんな未来を実現したいのか?
- 社会における役割: 私たちの製品やサービスが、誰のどんな課題を解決しているのか?
会社の歴史やビジョンを情熱的に語ることで、求職者は事業内容への理解を深めると同時に、企業の理念へ共感してくれるようになります。
社員インタビュー・1日の流れ(〜2:35):ここで働く「リアル」を伝える
採用動画において、求職者が最も見たがっているコンテンツが「社員の生の声」です。ここでは、実際に働く社員に登場してもらい、仕事のやりがいや会社の雰囲気をリアルに伝えてもらいましょう。複数の社員に登場してもらうと、より多角的な視点を提供できます。
本音を引き出すインタビューのコツ
- 具体的な質問をする: 「仕事のやりがいは?」だけでなく、「これまでで一番嬉しかったお客様からの言葉は?」など。
- 失敗談も聞く: 成功体験だけでなく、失敗をどう乗り越えたかを聞くことで、人間味や成長のストーリーが伝わります。
- 「なぜ?」を繰り返す: 「なぜこの会社に入社したのですか?」「なぜこの仕事を選んだのですか?」と深掘りすることで、本質的な動機が見えてきます。
また、社員の1日の仕事の流れをドキュメンタリー風に見せるのも非常に効果的です。朝礼からランチ、顧客との打ち合わせ、退勤後の様子まで見せることで、求職者は入社後の働き方を具体的にイメージすることができます。
メッセージと行動喚起(〜3:00):未来の仲間への呼びかけ
最後に、動画を締めくくる重要なパートです。ここでは、社長や採用担当者から、未来の仲間となるかもしれない求職者へ、熱いメッセージを直接届けましょう。飾らない、ストレートな言葉が心を動かします。
そして最も重要なのが、次の行動を明確に示すことです。動画を見て高まった気持ちを、具体的なアクションに繋げるための導線を必ず用意しましょう。
行動喚起(CTA)の例
- 「私たちの想いに共感してくれた方、ぜひ一度お話ししませんか?説明会でお会いできるのを楽しみにしています。」
- 「未来を創る仲間からのエントリーを、心からお待ちしています。詳細は概要欄の採用サイトから。」
この基本構成をベースに、自社の魅力を最大限に伝えられるよう、各パートの内容を肉付けしていきましょう。
【経営者・採用担当者必見】中小企業が採用動画で伝えるべき魅力とは?
「大企業のような派手なアピールはできないし、うちの会社の魅力って何だろう…」
多くの経営者様、採用担当者様がこのように悩まれるのではないでしょうか。しかし、私は14年間、数多くの中小企業様と接する中で、どの会社にも必ず独自の素晴らしい魅力があることを知っています。大切なのは、大企業の土俵で戦おうとしないことです。
ここでは、中小企業だからこそ伝えられる、そして求職者の心に響く魅力の伝え方について解説します。
大企業の真似はしない!「等身大の姿」こそが最大の武器
洗練されたオフィス、充実した福利厚生、高い知名度…。大企業が持つ魅力は確かに大きいかもしれません。しかし、中小企業が同じように背伸びをして、実態とかけ離れた「カッコいい姿」を見せようとしても、求職者にはすぐに見抜かれてしまいますし、何より入社後のミスマッチを助長するだけです。
弊社の経験上、求職者、特に今の若い世代が求めているのは、完成された美しさよりも「リアル」で「正直」な情報です。
少し雑然としているけれど活気のあるオフィス、完璧ではないけれど熱意を持って語る社員の姿、時には厳しいけれど真剣に議論を交わす会議の風景。そうした「等身大の姿」こそが、視聴者に安心感と親近感を与え、「この会社は信頼できる」という共感を生む最大の武器なのです。
社員が主役。「人」の魅力を最大限に引き出す方法
中小企業の最大の資産は、間違いなく「人」です。社長との距離が近く、社員同士の顔と名前が一致し、家族のような温かい関係性が築かれている。これは、大企業にはない、中小企業ならではの大きな魅力です。採用動画では、この「人」の魅力を最大限に引き出すことに注力しましょう。
社員インタビューでは、単に「仕事のやりがい」を聞くだけでなく、
- 「どんな想いでこの会社に入社したのか?」
- 「仕事で経験した最大の失敗談と、そこから学んだことは?」
- 「この会社の『好きなところ』は?」
- 「5年後、どんな自分になっていたいか?」
といった、その人の価値観や人柄が滲み出るような質問を投げかけてみてください。社員一人ひとりが自分の言葉で語るストーリーは、どんな巧みなキャッチコピーよりも強く、視聴者の心を惹きつけます。
動画を見た求職者が「この先輩みたいになりたい」「このチームの一員として働きたい」と感じてくれれば、採用活動は成功したも同然です。
「成長できる環境」を具体的に見せる
「若いうちから成長したい」と考える意欲的な求職者にとって、「成長環境」は非常に重要な判断基準です。しかし、ただ「研修制度が充実しています」「成長できます」と言葉で伝えるだけでは、その魅力は半減してしまいます。
大切なのは、「どのように成長できるのか」を具体的に映像で見せることです。
「成長環境」を映像で見せる具体例
- 先輩社員が後輩にマンツーマンで丁寧に指導している様子
- 入社2年目の若手社員が、プロジェクトリーダーとして会議で堂々とプレゼンテーションしている場面
- 資格取得支援制度を利用して勉強に励む社員の姿
- 新しいアイデアを社長に直接提案し、議論しているシーン
こうした具体的な場面を見せることで、「この会社に入れば、自分もこのように成長できるかもしれない」という期待感を醸成することができます。中小企業ならではの裁量権の大きさや、挑戦できる機会の多さを、ぜひ映像の力で具体的に伝えていきましょう。
作って終わりはNG!採用動画を最大限に活かすWEBマーケティング活用術
素晴らしい採用動画が完成したとしても、それだけでは宝の持ち腐れです。作った動画を「いかにして求める人材の目に触れさせるか」という、次なるステップが待っています。
ここからは、まさに私たちWEBマーケティングの専門家が最も得意とする領域です。採用動画の効果を最大化するための、具体的な活用術を3つご紹介します。
YouTubeでのSEO対策:未来の候補者に見つけてもらう技術
完成した動画は、まず貴社の公式YouTubeチャンネルにアップロードしましょう。YouTubeは単なる動画置き場ではなく、Googleに次ぐ世界第2位の検索エンジンです。
つまり、未来の候補者が「神戸市 営業職」「大阪 メーカー 採用」といったキーワードで検索した際に、貴社の動画を見つけてもらうための対策(SEO:検索エンジン最適化)が非常に重要になります。
最低限これだけは押さえたいYouTube SEOの基本
- タイトル: 「【株式会社〇〇 採用】未経験からプロへ!若手社員の1日に密着」のように、「会社名」「採用」といったキーワードと、内容が魅力的だとわかる文言を入れましょう。
- 説明文: 動画の内容を詳しく説明するだけでなく、採用サイトへのリンク、募集職種、企業の連絡先などを必ず記載します。ここでも「関西」「中小企業」「ITエンジニア」など、関連するキーワードを自然に盛り込むことが有効です。
- タグ: 「会社名」「採用」「職種名」「地域名(神戸、大阪など)」「事業内容」といった、検索されうる単語を複数設定しておきましょう。
こうした地道な対策が、貴社の動画を「見つけてもらえる」動画へと育てていくのです。
自社採用サイトへの埋め込みで応募率を高める
貴社の採用サイトは、採用活動における「本拠地」です。YouTubeにアップした動画は、必ず採用サイトのトップページや社員紹介ページなど、目立つ場所に埋め込みましょう。
動画がサイトにあることで、訪問者の滞在時間が長くなるというデータがあります。テキストだけでは伝えきれない企業のリアルな雰囲気が伝わることで、企業への理解度が格段に深まります。
その結果、ただ応募数が増えるだけでなく、貴社の文化や価値観に共感した、質の高い候補者からの応募が増えることが期待できるのです。実際に、採用サイトに動画を設置したことで、応募率が1.5倍に向上したという事例もあります。
SNSでの戦略的拡散:ターゲットに直接アプローチする
「待ち」のYouTube SEOに対し、より積極的にターゲットにアプローチするのがSNS活用です。特に、ペルソナ設定で定めたターゲット層が多く利用するSNS(例えば、若手向けならInstagramやTikTok、ビジネス層向けならFacebookなど)で、動画を戦略的に拡散していきましょう。
SNS活用の具体例
- SNS広告: FacebookやInstagramの広告機能を使えば、年齢、地域、興味関心などでターゲットを細かく絞って動画を配信できます。特に、私たちのような関西エリアの中小企業であれば、「神戸市在住の25〜30歳」といった地域ターゲティングが非常に有効です。
- 社員によるシェア: 社員に個人のSNSアカウントで「会社の採用動画ができました!」とシェアしてもらうのも効果的です。友人・知人という信頼性の高い繋がりを通じて、情報が自然に拡散していきます。
このように、YouTube、自社サイト、SNSという3つのメディアを連携させることで、採用動画の効果を何倍にも高めることができるのです。
関連記事: 採用にSNSは本当に効く?中小企業向けInstagram・Facebook活用戦略
よくある質問(FAQ)
最後に、採用動画に関して経営者様や採用担当者様からよくいただくご質問にお答えします。
Q: 採用動画の最適な長さはどれくらいですか?
A: 目的によって異なりますが、一般的には求職者が集中力を保ちやすい2〜3分が理想的です。企業の全体像を伝える会社紹介動画であれば3〜5分、SNSでの拡散を狙うなら1分程度の短い動画にするなど、媒体や目的に合わせて調整しましょう。
最も重要なのは、長々と情報を詰め込むことではなく、伝えたいメッセージを一つに絞り込み、テンポの良い編集で視聴者を飽きさせないことです。
Q: 動画制作の費用はどれくらいかかりますか?
A: 制作会社に依頼する場合、インタビュー中心のシンプルな動画で10〜30万円、社内風景の撮影なども含めると30〜80万円程度が相場です。
しかし、弊社の14年間の経験から断言できるのは、特に中小企業様の場合、高価な機材や費用よりも、成果を左右するのは「企画内容」だということです。まずは自社でスマートフォンを使って撮影してみるのも素晴らしい第一歩です。企画さえしっかりしていれば、十分に魅力的な動画は作れます。
Q: 動画に出演する社員はどのように選べば良いですか?
A: ターゲットとなる求職者と年齢や価値観が近い若手・中堅社員や、企業の顔となるような明るくハキハキと話せる社員が適しています。可能であれば、複数の部署から様々な立場の社員に登場してもらうと、多角的な視点から会社の魅力を伝えられ、より説得力が増します。
ただし、最も大切なのは本人の協力的な姿勢です。無理強いはせず、「会社の魅力を伝える代表として、力を貸してほしい」とお願いし、快く引き受けてくれる社員に依頼しましょう。
Q: スマートフォンでもクオリティの高い動画は撮れますか?
A: はい、全く問題なく可能です。最近のスマートフォンは非常に高性能ですから、ぜひ挑戦してみてください。ただし、視聴者にストレスを与えないために、最低限「手ブレ」「暗さ」「音質の悪さ」の3点には注意が必要です。
これらは、三脚でカメラを固定し、窓際の明るい場所で撮影し、数千円で買える外部マイクを使用するだけで劇的に改善できます。まずは身近な機材で試してみることを強くお勧めします。
Q: 作った動画の効果はどうやって測定すれば良いですか?
A: いくつか簡単な方法があります。まず、YouTubeにアップロードした場合、無料の「YouTubeアナリティクス」で「視聴回数」や「平均視聴時間」、どのシーンで離脱されているかを示す「視聴者維持率」などを確認できます。また、自社の採用サイトに動画を設置したページの閲覧数や滞在時間を計測するのも有効です。
そして、最もシンプルかつ重要なのが、面接時に「動画を見てくれましたか?」と直接質問してみることです。応募者の何割が動画を視聴し、どの部分が印象に残ったかを知ることは、次回の改善に繋がる貴重なデータとなります。
まとめ:採用動画は、未来の仲間へ送る「最初のラブレター」
ここまで、採用動画の効果的な作り方について、企画の重要性から具体的な構成、そして活用術まで、弊社の14年間のWEBマーケティングの知見を基にお話しさせていただきました。
採用動画は、単なる会社紹介のツールではありません。それは、まだ見ぬ未来の仲間に対して、「私たちの会社はこんなに素晴らしい場所なんだ」「ぜひ一緒に未来を創っていきたい」という想いを伝える、最初のラブレターです。カッコつける必要はありません。大切なのは、誠実に、正直に、等身大の魅力を伝えることです。
この記事でお伝えした企画のステップに沿って、まずは一度、自社の魅力を棚卸ししてみてください。そして、社員の皆さんと一緒に、どんなメッセージを届けたいか、ぜひ話し合ってみてください。そのプロセス自体が、貴社の採用力を高める大きな一歩となるはずです。
私たち株式会社SELF ACHIEVEは、神戸・阪神間を中心に、WEBマーケティングの力で中小企業の顧客獲得、そして採用活動を支援しています。「動画の企画について、もっと具体的に相談したい」「WEBを活用した採用戦略全体を考えたい」そんな時は、ぜひお気軽にご相談ください。同じ経営者として、貴社の成功を全力でサポートさせていただきます。
監修者:新原秀崇
株式会社SELF ACHIEVE 代表取締役CEO。2011年の創業以来14年間、神戸を拠点にWEBマーケティング会社を経営。中小企業の顧客獲得支援で培ったSNS集客ノウハウを採用分野に応用し、関西企業の採用課題解決を専門とする。「採用の仕組み化」「採用の資産化」をコンセプトに、持続可能な採用戦略の構築を支援している。
