Indeedだけじゃない!中小企業が活用すべきWEB広告の種類と特徴

「Indeedに求人を出しているのに、なかなか応募が集まらない…」
「高い広告費を払っているのに、求める人材に出会えない…」
関西、特に神戸や阪神間の中小企業の経営者様から、このようなご相談をいただくことが増えています。

こんにちは。神戸で14年間、中小企業様のWEBマーケティングをお手伝いしている株式会社SELF ACHIEVEの新原です。
実は、多くの企業様が見落としているのが、「採用活動も顧客獲得と同じマーケティング活動である」という視点です。Indeedは優れたツールですが、それだけに頼る採用は、いわば一本足打法のようなもの。これからの時代、それでは優秀な人材の獲得競争には勝てません。
本記事では、私が14年間の顧客獲得支援で培ったノウハウを応用し、Indeedだけに頼らず、中小企業が本当に活用すべきWEB広告の種類と、自社に合った広告を見つけるための実践的な選び方を、同じ経営者としての目線で分かりやすく解説します。
【この記事の結論】中小企業が活用すべきWEB広告5選
「Indeedだけでは応募が集まらない」と悩む中小企業様向けに、採用を成功させるWEB広告の種類と選び方をまとめました。
広告の種類 | こんな企業におすすめ |
---|---|
リスティング広告 | 「今すぐ人材が欲しい」 転職意欲の高い層に直接アプローチしたい企業 |
SNS広告 | 「会社の魅力を伝えたい」 潜在層に会社の文化や雰囲気を伝え、未来の候補者を育てたい企業 |
ディスプレイ広告 | 「地域での知名度を上げたい」 地元の潜在候補者に広く会社を知ってもらいたい企業 |
リターゲティング広告 | 「応募を迷っている人を後押ししたい」 一度サイトを訪れた候補者を逃したくない企業 |
Indeed以外の求人検索エンジン | 「Indeed以外の層に届けたい」 採用チャネルを増やし、リスクを分散したい企業 |
目次
中小企業の採用活動、Indeedだけではなぜ不十分なのか?
まず、なぜIndeedだけでは限界があるのか、その理由からご説明しましょう。決してIndeedがダメだと言いたいわけではありません。その特性を正しく理解することが、次の一手につながるからです。
Indeedの仕組みと強みの再確認
Indeedは「求人情報専門の検索エンジン」です。求職者が「営業職 神戸市」のようにキーワードで検索すると、関連する求人が一覧で表示されます。
求職者にとっては、あらゆる求人情報をまとめて見られる非常に便利なプラットフォームであり、その圧倒的な情報量が最大の強みです。無料でも掲載できる手軽さも、多くの企業にとって魅力的でしょう。
中小企業が直面するIndeedの3つの壁
しかし、その強みの裏側で、特に私たち中小企業が直面しやすい「壁」が存在します。弊社の経験では、多くの企業様が以下の3つの課題に悩まされています。
1. 情報の埋没
大手企業や派遣会社が大量の求人情報を掲載しているため、中小企業の求人はどうしても埋もれがちです。「せっかく掲載したのに、誰にも見てもらえない」と思ったことはありますか?これは、情報の大海に乗り出した小舟のような状態なのです。
2. 価格競争の激化
Indeedの有料広告は、クリックされるごとに費用が発生する「クリック課金型」です。目立つ場所に表示させるには、より高いクリック単価を設定する必要があります。
結果として、潤沢な予算を持つ大手企業との価格競争に巻き込まれ、予算の少ない中小企業では十分に求人を見せられないケースが少なくありません。
3. 魅力の伝えにくさ
Indeedの掲載フォーマットはある程度決まっています。給与や勤務地といった条件面は伝えやすいですが、中小企業ならではの「社長との距離の近さ」「風通しの良い社風」「地域に貢献できるやりがい」といった、数字では表せない独自の魅力を伝えきるのが難しい、と感じたことはないでしょうか。
「待ち」の採用から「攻め」の採用へ
つまり、Indeedは求職者が自ら探しに来てくれるのを「待つ」広告なのです。これは、お店を開いてお客様が来るのを待っている状態と似ています。
しかし、本当に欲しい人材は、まだ転職を具体的に考えていない「潜在層」の中に眠っていることも多いのです。

これからの採用活動では、お店の前を通りかかった人に「こんな面白いお店ですよ」と積極的に声をかけるような、「攻め」のWEB広告が不可欠になります。
これはまさに、私たちが顧客獲得で実践してきたマーケティングの考え方そのものなのです。
【顧客獲得のプロが解説】採用に効く!中小企業が活用すべきWEB広告5選
では、具体的にどのような「攻め」の広告があるのでしょうか。ここでは、中小企業の採用活動で特に効果を発揮する5つのWEB広告を、顧客獲得のプロの視点から解説します。
比較表:目的と費用で選ぶWEB広告
まずは全体像を掴んでいただくために、各広告の特徴を一覧表にまとめました。
広告の種類 | 主な目的(ターゲット層) | 費用体系 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|---|
リスティング広告 | 顕在層へのアプローチ | クリック課金 | 意欲の高い層に直接届く、低予算から可能 | 競争が激しい、潜在層には届かない |
SNS広告 | 潜在層の育成、ブランディング | クリック課金、インプレッション課金など | 細かいターゲティングが可能、企業の魅力を伝えやすい | 運用に手間がかかる、直接の応募に繋がりにくい場合も |
ディスプレイ広告 | 認知拡大、ブランディング | クリック課金、インプレッション課金など | 地域の潜在層に広くアプローチ可能 | 意欲の低い層にも表示されるため、費用対効果が見えにくい |
リターゲティング広告 | 興味・関心層への再アプローチ | クリック課金 | 応募を迷っている候補者の背中を押せる | 広告がしつこい印象を与える可能性がある |
Indeed以外の求人検索エンジン | 顕在層へのアプローチ、リスク分散 | 無料掲載、クリック課金 | Indeedとは違う層に届く可能性、競争が緩やかな場合も | Indeedほどの集客力はない場合が多い |
1. リスティング広告:今すぐ転職したい「顕在層」に届ける
リスティング広告は、GoogleやYahoo!で検索した際に、検索結果の上部に表示される広告です。
「溶接工 求人 神戸市」「経理 募集 大阪市」のように、具体的なキーワードで仕事を探している、転職意欲が非常に高い層(顕在層)に直接アプローチできるのが最大の強みです。Indeedと同じ検索連動型ですが、より幅広い検索行動に対応できます。
クリックされない限り費用は発生せず、1日数百円といった少ない予算からでも始められるため、費用対効果を重視する中小企業にとって、まず試すべき広告と言えるでしょう。
2. SNS広告(Facebook/Instagram):会社の魅力を届け「潜在層」を育てる
FacebookやInstagramに表示される広告です。SNS広告の真価は、まだ具体的に転職を考えていない「潜在層」にアプローチできる点にあります。
例えばFacebook広告なら、「神戸市在住、30代男性、製造業に興味がある」といった形で、地域、年齢、興味関心などで非常に細かくターゲットを絞り込めます。
そこに、社員インタビューの動画や社内イベントの楽しそうな写真を広告として配信すればどうでしょうか。給与などの条件面だけでなく、会社の「人」や「文化」といった魅力を伝えることで、「この会社、なんだか面白そうだな」と興味を持ってもらい、未来の候補者を育てることができるのです。
3. ディスプレイ広告:地域の潜在候補者に広く認知させる
地域のニュースサイトや個人のブログなど、様々なWEBサイトの広告枠に表示される画像や動画の広告です。
例えば、神戸の地域情報サイトに自社の広告を出すことで、地元で働きたいと考えている潜在的な候補者に広く会社の存在を知ってもらうことができます。
直接的な応募にすぐ繋がるわけではありませんが、繰り返し目にすることで親近感が湧き、「あの広告の会社だ」と覚えてもらえます。採用活動だけでなく、会社の知名度向上やブランディングにも繋がり、長期的に見れば非常に有効な投資となります。
4. リターゲティング広告:一度訪れた候補者を逃さない「追いかける」広告
一度、自社の採用サイトを訪れたけれど、応募せずに離脱してしまった人。そんな「少し気になっている」という候補者に対して、別のサイトを見ているときに再度広告を表示するのがリターゲティング広告です。

ECサイトで商品をカートに入れたまま買うのをやめたら、後日その商品の広告が追いかけてきた、という経験はありませんか?あれと同じ仕組みです。
「あの会社の求人、やっぱり気になるな…」と考えている候補者の背中をそっと押し、応募へと繋げる効果が期待できます。
5. Indeed以外の求人検索エンジン(求人ボックスなど)
Indeedが強力なのは間違いありませんが、求人検索エンジンは他にも「求人ボックス」や「スタンバイ」などがあります。
媒体によって利用者層が少しずつ異なるため、Indeedでは出会えなかった人材にアプローチできる可能性があります。
多くは無料で掲載できますから、複数の媒体に情報を載せておくのは、経営における「リスク分散」の考え方と同じです。まずは無料で試せるものから活用してみましょう。
失敗しない!中小企業のためのWEB広告の選び方【3ステップ】
「広告の種類は分かったけど、じゃあ自社はどれを選べばいいの?」
そう思われたかもしれません。大丈夫です。ここからは、14年間の顧客獲得支援で実践してきた、失敗しないための広告の選び方を3つのステップでご紹介します。
ステップ1:採用の「目的」と「ターゲット」を明確にする
全ての基本は「誰に、何を伝えたいのか?」を明確にすることです。
「とにかく応募が欲しい」という漠然とした状態では、広告のメッセージは誰にも響きません。「3年後には若手を引っ張るリーダーになってほしい、素直で成長意欲のある20代後半の技術者」のように、採用したい人物像(ペルソナ)を具体的に設定しましょう。
難しく考える必要はありません。今、社内で活躍している優秀な社員をモデルに、「その人はどんな人か?」「なぜうちで頑張ってくれているのか?」を考えてみるのが、ペルソナ設定の第一歩です。
ステップ2:自社の「強み」と「魅力」を言語化する
給与や休日といった待遇面で、大手企業に真正面から勝負を挑むのは得策ではありません。中小企業には、中小企業ならではの戦い方があります。
それは、働く人にとっての本当の魅力、つまり自社の「強み」を言語化することです。
- 風通しが良く、若手でも意見が言いやすい社風
- 社長や経営陣との距離が近く、経営を身近に感じられる
- 転勤がなく、地元・関西に腰を据えて貢献できる
これらは、大手にはない、私たち中小企業だからこそ提供できる価値です。顧客に自社の商品の強みを伝えるのと同じように、未来の仲間に自社で働くことの魅力をしっかりと伝えましょう。
ステップ3:目的と予算に合った広告を「小さく試す」
目的と魅力が明確になったら、いよいよ広告を選びます。ここでのポイントは、いきなり大きな予算を投じるのではなく、まずは少額で複数の広告を試してみる「テストマーケティング」の考え方です。
- 「今すぐ人手が欲しい」なら、まずはリスティング広告から。
- 「長期的に良い人材を育てたい」なら、SNS広告で情報発信を。

弊社の経験では、まず月5万円程度の予算から、リスティング広告とSNS広告を両方試してみる企業様が多いです。
実際にやってみて、どちらの反応が良いか(応募単価が低いか)を見ながら、予算の配分を調整していくのが成功への近道です。
【関西の事例に学ぶ】WEB広告を活用した中小企業の採用成功例
ここでは、WEB広告を活用して採用に成功した、関西の中小企業の事例を2つご紹介します。
事例1:製造業A社(神戸市)- リスティング広告でニッチな技術者の採用に成功
- 課題: 大手の求人サイトでは一般的な職種の応募しかなく、特殊な加工技術を持つ経験者の採用に苦戦していた。
- 施策: 「〇〇(特殊な技術名) 加工 経験者 求人」「〇〇(機械名) オペレーター 募集 神戸」といった、非常にニッチなキーワードでリスティング広告を出稿。
- 結果: 検索する人は少ないものの、意欲が非常に高い経験者からの応募が数件あり、無事に採用成功。ターゲットを徹底的に絞り込むことで、大手が見逃している層に出会うことができました。
事例2:IT企業B社(大阪市)- SNS広告で会社の雰囲気を伝え、若手エンジニアの応募が3倍に
- 課題: 待遇面で都市部の大手IT企業に勝てず、若手エンジニアの応募が集まらなかった。
- 施策: Instagram広告で、社員が和気あいあいと働く様子や、社内勉強会の風景、ランチミーティングの様子などを定期的に発信。広告のターゲットを「大阪市在住、プログラミングに興味がある20代」に設定。
- 結果: 「楽しそうな会社」「成長できそうな環境」というイメージが伝わり、企業のファンが増加。結果的に、会社の「人」や「文化」に共感した若手からの応募が、施策前の3倍になりました。
よくある質問(FAQ)
最後に、経営者の皆様からよくいただく質問にお答えします。
Q: 少ない予算でも始められるWEB広告はどれですか?
A: まずはリスティング広告をおすすめします。1日の上限予算を設定でき、クリックされなければ費用は発生しないため、月数万円といった少額からでも始めやすいのが特徴です。弊社のお客様でも、まずは月3〜5万円で試される企業様が多いですね。
Q: WEB広告の知識が全くないのですが、自社で運用できますか?
A: はい、可能です。現在の広告ツールは初心者でも操作しやすくなっています。しかし、本当に成果を出すには、配信後のデータ分析と改善が不可欠です。
もし社内にリソースがなければ、弊社のような中小企業の事情をよく理解している専門家に相談するのも一つの有効な手です。まずは無料相談などを活用して、情報収集から始めてみましょう。
Q: 広告代理店に頼むメリットは何ですか?
A: 専門的な知識と経験に基づいた、戦略的な運用が期待できる点です。特に、複数の広告を組み合わせて効果を最大化するノウハウは専門家ならではと言えるでしょう。
ただし、代理店によって得意分野が異なります。中小企業の支援実績が豊富か、特に関西エリアの市場に詳しいか、といった視点で選ぶことが重要です。
Q: 広告の効果はどのように判断すれば良いですか?
A: いくつかの指標がありますが、中小企業の採用ではまず「応募単価(CPA:Cost Per Action)」を重視しましょう。これは、1件の応募を獲得するためにかかった広告費のことです。
例えば、5万円の広告費で5件の応募があれば、応募単価は1万円です。この数値を継続的に計測し、どうすればもっと下げられるかを考えていくことが成功の鍵です。
Q: 採用だけでなく、会社の知名度も上げたいのですが、どの広告が有効ですか?
A: 会社の認知度向上やブランディングも目的とするなら、SNS広告やディスプレイ広告が有効です。視覚的に企業の魅力や雰囲気を伝えることで、すぐの応募には繋がらなくても、将来の候補者となる層に良い印象を残すことができます。長期的な視点での投資と考えるのが良いでしょう。
まとめ
今回は、Indeedだけに頼らない中小企業のWEB広告活用法について、私が14年間、顧客獲得支援の現場で培ってきた経験を基に解説しました。
一番お伝えしたい重要なことは、採用を「単なる募集」ではなく、「未来の仲間を集めるマーケティング活動」と捉え直すことです。
この記事を読んでくださったあなたは、ぜひ今日からこの3ステップを始めてみてください。
- 採用の「目的」と「ターゲット」を明確にする
- 自社の本当の「強み」と「魅力」を言語化する
- 目的と予算に合った広告を「小さく試す」
WEB広告は、正しく使えば、私たち中小企業にとってこれ以上ない強力な武器になります。この記事が、貴社の採用活動を力強く前に進める一助となれば、これほど嬉しいことはありません。
もし、「自社に合った広告戦略について、もっと具体的に相談したい」「何から手をつければ良いか分からない」といったお悩みがありましたら、いつでもお気軽にご相談ください。同じ経営者として、実直に、誠実にお手伝いさせていただきます。
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株式会社SELF ACHIEVE 代表取締役CEO。2011年の創業以来14年間、神戸を拠点にWEBマーケティング会社を経営。中小企業の顧客獲得支援で培ったSNS集客ノウハウを採用分野に応用し、関西企業の採用課題解決を専門とする。「採用の仕組み化」「採用の資産化」をコンセプトに、持続可能な採用戦略の構築を支援している。