「TikTokに人が集まっていると聞いたので、とりあえず企業アカウントを始めたい」
このように考えている中小企業の経営者様、SNS担当者様は多いのではないでしょうか。
たしかにTikTokは、短い動画で多くの人に情報を届けられる可能性があるSNSです。認知拡大、採用広報、店舗集客、ブランディングなど、企業にとって活用できる場面も増えています。
しかし、神戸でWEBマーケティング支援を行ってきた立場から見ると、「人が集まるらしいから始める」という理由だけでTikTokを始める企業は、失敗しやすいと感じます。
なぜなら、TikTokは目的に対する手段であり、目的なしに始めると失敗しやすいからです。
何のために投稿するのか。誰に届けたいのか。投稿を見た人に、どのような印象を持ってほしいのか。さらに、その先で問い合わせ・採用応募・来店など、どの行動につなげたいのか。
ここが曖昧なまま始めると、オフィスの日常や社内の雰囲気をなんとなく投稿するだけになり、やがてネタ切れやマンネリにつながってしまいます。
この記事では、TikTok企業アカウントの始め方と、フォロワー獲得につながる運用戦略を、中小企業向けに解説します。
TikTok企業アカウントとは?
TikTok企業アカウントとは、企業や店舗、団体がTikTok上で情報発信を行うためのアカウントです。
企業がTikTokを活用する目的は、単にフォロワーを増やすことだけではありません。認知拡大、集客、採用、ブランディング、ファン化など、事業上の目的に合わせて使うことが大切です。
たとえば、飲食店であれば来店につなげることが目的になるかもしれません。BtoB企業であれば、専門性や会社の考え方を知ってもらうことが目的になることもあります。採用に力を入れたい企業であれば、職場の雰囲気や仕事の魅力を伝えることが重要になります。
つまり、TikTok企業アカウントは「動画を投稿する場所」ではなく、企業の考え方や価値を、短い動画で分かりやすく届ける接点だと考えるべきです。
TikTok公式でも、Business Accountでは分析機能やクリエイティブツールなど、企業向けの機能が紹介されています。
参考:TikTok Business Account
https://getstarted.tiktok.com/Business-accounts?lang=en-US
参考:TikTokアカウント種別
https://ads.tiktok.com/help/article/tiktok-and-tiktok-business-account-types?lang=en

TikTok企業アカウントを始める前に決めるべきこと
TikTok企業アカウントを始める前に、まず決めるべきことがあります。
それは、どのマーケットにいる人に、何を目的として投稿するのかです。
弊社でSNS運用を支援するときも、最初に確認するのは投稿内容ではありません。まず、どの市場にいる人たちに向けて発信するのか、何をゴールにするのか、どのような目的で投稿するのかを確認します。
そのうえで、視聴者のインサイトを整理します。
インサイトとは、表面的なニーズの奥にある本音や動機のことです。たとえば、何がペイン、つまり悩みや不満になっているのか。何がバリア、つまり行動を止める障壁になっているのか。何がトリガー、つまり行動を起こすきっかけになるのかを考えます。
TikTok運用では、この設計が非常に重要です。
「とりあえず若い人に見てもらいたい」
「会社の雰囲気を出したい」
「毎日何か投稿すれば伸びるはず」
このような状態で始めると、投稿が続きにくくなります。TikTokは始めることよりも、目的に沿って継続することの方が難しいからです。
TikTok企業アカウントの始め方
TikTok企業アカウントを始める流れは、大きく分けると以下の5ステップです。

まず、TikTokアカウントを作成します。次に、プロフィールを整えます。アイコン、アカウント名、紹介文、リンク先などを見たときに、「誰が、何を発信しているアカウントなのか」が分かる状態にしておきましょう。
その後、必要に応じてBusiness AccountやBusiness Centerの活用を検討します。Business Centerは、TikTok上のビジネス活動や広告アカウント、権限管理などをまとめて管理するための仕組みです。
参考:TikTok account entitlements
https://ads.tiktok.com/help/article/about-tiktok-account-entitlements?lang=en
参考:TikTok Business Center
https://ads.tiktok.com/help/article/tiktok-business-center?lang=en
ただし、設定だけで満足してはいけません。
本当に重要なのは、投稿テーマ、運用体制、分析方法を決めておくことです。
誰が企画するのか。誰が撮影するのか。誰が編集するのか。投稿後に何を見るのか。コメント対応はどうするのか。
ここまで決めておくことで、企業アカウントとして継続しやすくなります。
企業がTikTokで投稿すべき内容
企業TikTokで投稿すべき内容は、単なる日常紹介ではありません。
もちろん、社内の雰囲気や人柄を伝える投稿も大切です。しかし、それだけではマンネリ化しやすく、視聴者にとっての学びや気づきが少なくなってしまいます。
伸びやすく、続きやすい企業アカウントには共通点があります。
それは、世の中の課題解決に対して企業が存在していることを、投稿の中で分かりやすく伝えている点です。
企業は、何らかの社会課題や顧客課題を解決するために存在しています。そのビジョンや問題解決の姿勢をTikTok上で表現できるアカウントは、単なる日記投稿よりも継続しやすく、視聴者にも届きやすくなります。
投稿テーマとしては、以下のようなものが考えられます。
- よくある質問に答える
- 業界の裏側を伝える
- 失敗例や注意点を紹介する
- お客様の声や事例を紹介する
- 社員や職場の雰囲気を伝える
- 商品やサービスの選び方を解説する
重要なのは、自社が言いたいことだけを投稿するのではなく、視聴者が知りたいこと、迷っていること、不安に感じていることから逆算することです。

フォロワー獲得のために必要な運用戦略
TikTokでフォロワーを獲得するには、最初からバズだけを狙うのではなく、継続的に検証できる運用設計が必要です。
まず大切なのは、冒頭で視聴理由を作ることです。
「この動画を見ると何が分かるのか」
「自分に関係がある話なのか」
「最後まで見る価値があるのか」
視聴者は一瞬で判断します。そのため、冒頭の数秒でテーマや結論を分かりやすく提示することが重要です。
また、投稿後はフォロワー数だけで判断しない方が良いです。
もちろんフォロワー数やいいね数も大切な指標です。しかし、それ以上に見たいのが滞在時間です。どれだけ見続けられているかは、コンテンツの質を見るうえで重要な指標になります。
さらに、滞在時間や指名検索数まで見て、成果を判断することも大切です。
たとえば、TikTokを見た人がGoogleで会社名やサービス名を検索することがあります。アナリティクスやSearch Consoleなどを確認し、会社名やサービス名の検索数が増えているかを見ることで、TikTokが認知や興味喚起につながっているかを判断できます。
TikTok公式のCreative Centerでは、トレンドやクリエイティブの傾向を確認できます。自社らしい投稿を考える際の参考にすると良いでしょう。
参考:TikTok Creative Center
https://ads.tiktok.com/help/article/creative-center?lang=en
中小企業がTikTok運用で失敗しやすいポイント
中小企業がTikTok運用で失敗しやすいポイントは、目的が曖昧なまま始めてしまうことです。
「TikTokに人が集まると聞いたから」
「若い人に見てもらえそうだから」
「競合もやっているから」
このような理由だけでは、継続的な運用にはつながりにくいです。
また、オフィスの日常や社内イベントだけを投稿する形も注意が必要です。最初は投稿しやすいのですが、視聴者にとっての学びや課題解決につながらなければ、やがて反応が落ち、社内でも続ける意味が見えにくくなります。
もう1つの失敗は、フォロワー数だけを追うことです。
フォロワーが増えても、会社への信頼や問い合わせ、採用応募につながっていなければ、事業成果としては不十分です。

TikTok運用は自社運用と外注、どちらがいい?
TikTok運用を自社で行うべきか、外注すべきか迷う企業も多いと思います。
結論から言うと、最初は外注に頼み、やり方やPDCAの回し方を学んでいく進め方がおすすめです。
TikTok運用には、企画、撮影、編集、投稿、分析、改善が必要です。自社だけでいきなりすべてを行おうとすると、担当者の負担が大きくなり、継続できなくなるケースがあります。
まずは外部の運用知見を借りながら、定例会議などで改善提案を聞き、何を見て、どう判断し、どう改善していくのかを社内で学ぶことが大切です。
そのうえで、得られた知見や改善内容を、自社のAIやナレッジベースに蓄積していくと良いでしょう。
投稿テーマ、反応が良かった動画、視聴者の反応、改善提案、分析結果などを蓄積していくことで、少しずつ社内に運用ノウハウが残ります。
最終的に、そのAIや社内ナレッジがある程度回答できる状態になれば、自社運用へ移行しやすくなります。
つまり、いきなり丸投げするのでも、最初から完全内製化するのでもありません。外注でPDCAを学び、社内に知見を蓄積していくことが、中小企業にとって現実的な進め方です。
また、サービスを紹介したい場合は、代表者が表に出ることも有効です。
特に中小企業では、代表者の顔イコール会社という見られ方をすることがあります。代表者の考え方やビジョンが伝わることで、「この会社なら信頼できそう」と感じてもらいやすくなります。
もちろん、すべての企業で代表者が出演すべきという意味ではありません。ただ、会社の思想やマインドを伝えたい場合、代表者の言葉は強いコンテンツになります。
まとめ:TikTok企業アカウントは「目的」と「継続設計」が重要
TikTok企業アカウントは、アカウントを作って動画を投稿すれば成果が出るものではありません。
大切なのは、目的を決めることです。
誰に届けるのか。何を伝えるのか。どのような行動につなげるのか。そこから逆算して投稿テーマや運用体制を設計する必要があります。
また、日常投稿だけで終わらせず、世の中の課題解決や視聴者の疑問に答える投稿を続けることが重要です。
フォロワー数だけでなく、滞在時間、いいね数、指名検索数、問い合わせ、採用応募なども見ながら、運用を改善していきましょう。
セルフアチーブでは、TikTokを含むSNSマーケティングの戦略設計から運用改善まで支援しています。
「TikTokを始めたいが、何から設計すればいいか分からない」
「投稿はしているが、成果につながっているか分からない」
このような方は、まずはお気軽にご相談ください。
代表取締役
新原 秀崇
大学卒業後、外資系企業やラジオ局で営業・マーケティングを経験。2011年に株式会社セルフアチーブを創業し、神戸を拠点に中小企業のWEB集客支援を開始。累計200社以上の顧客獲得を支援し、コンテンツマーケティング・SEO・WEB広告を専門領域として代表自ら戦略設計に携わる。