ホームページ制作
企業のホームページは、多くのユーザー閲覧する「企業の顔」です。
ユーザーをホームページに集客した後は、ウェブ上での『接客』が必要となります。
そして、ウェブ上での『接客』をする際には、そのサイトがどれだけユーザーにとって使いやすいかという点が大切です。
ユーザーからの満足を得るためのサイト設計理論を、UX設計と呼びます。
今回は、『UXと理論で作る Webデザイン: デザイナーでなくてもわかる』(川合 俊輔,大本あかね,菊池崇 著)を参照にして、UX設計とは何かについて紹介します。
UX設計とは何か
UXは、”User Experience”、または”ユーザー体験”と呼ばれています。
定義としては、
UX(ユーザー体験)=「ユーザーのタスク」+「コンテキスト」
とされています。
具体的には、サイトに訪れるユーザーが持っている要求と、その要求に応えるために『タスク(目的)』を達成させるためのサイト設計が、UX設計です。
また、『コンテキスト』は、『ユーザーがそのサイトを利用する状況や環境』を指しています。
まとめると、UX設計を考える際には、「ユーザーが何を欲しているのか」という理解と、「ユーザーがサイトに訪れる状況」を理解することがポイントといえるでしょう。
UX設計を作る方法
ユーザーが何を求めているのかとサイトを利用する背景を考える際には、顧客像の設定が有効とされます。
代表的な顧客像の設定は、「ペルソナ」の設定です。
顧客像を設定した後は、ユーザーの行動を可視化する必要があります。
ユーザーの行動を可視化する方法には、「カスタマージャーニーマップ」や、「ストーリーボード」というものがあります。
ペルソナの設定
ペルソナとは、一定のデータから得られる行動パターンをもとにして作られた、『架空の人物像』を指します。
ペルソナを設定する際には、通常は以下の項目を設定するといわれています。
- 年齢
- 性別
- 職業
- 行動
- 性格
以上の項目を具体的に設定することで、ホームページを制作する際の具体的な指標が一つできるため、ペルソナの設定は重要です。
一方で、ペルソナ設定の際に注意するべき点は、『ペルソナは、あくまで開発を進めるためのモデルであって、マーケティングのターゲットとは異なる』という点です。
カスタマージャーニーマップ
カスタマージャーニーマップは、ビジネスモデルの設計時に用いられるものです。
カスタマージャーニーマップは、業種により作り方が異なるとされますが、主に以下の項目が設定されます。
- チャネル(タッチポイント)
- 顧客の行動
- 思考
- 感情(感情のグラフ)
まとめると、カスタマージャーニーマップは、ユーザーが、どのチャネル(デバイス等)で、ある思考のもとに行動をとったときに、どのような感情を抱くか、といったものを、時系列順に掲載したものです。
カスタマージャーニーマップの完成例は以下のような図です。
(引用元:https://digital.gov/2015/08/12/journey-mapping-the-customer-experience-a-usa-gov-case-study/)
ストーリーボード
ストーリーボードとは、カスタマージャーニーマップに具体的なセリフが付いた『絵コンテ』です。
ホームページ制作時にストーリーボードを用いることで、ウェブサイトの利用時に、ユーザーが『どのような言葉を利用するか』を具体的に設定し、制作チームで共有することができます。
まとめ
今回はホームページ制作時に必要なUX設計と、UX設計をするために必要な具体的な手法について紹介しました。
今回の内容のポイントは、
- ホームページ制作時には、サイトに訪問するユーザー像を、できる限り具体的に洗い出す。
- 具体的なユーザー像や、ユーザーがサイトを利用する具体的な状況を、サイトの制作チームで共有する。
以上の2点が挙げられます。
ホームページ制作は一人ではできません。
そのため、サイト制作における指標をできるだけ具体的にし、制作チーム全体で共有することで、最後に「こんなはずではなかった」となるような事態を回避することができます。
そして、今回紹介した手法は、制作チーム内での認識の相違を起こさずホームページをUX設計する際には欠かせないものでしょう。